糸島の『旬』が届く 渡辺通の青果店「美味伊都」が野菜のデリバリーを開始

新鮮な野菜を手に店頭に立つ前川さん

 2月にオープンした糸島野菜の専門店「美味伊都(うまいと)」(福岡市中央区渡辺通)が、デリバリーサービスを始めました。専用サイトから注文すると、糸島産の新鮮野菜のほか、味噌やプリンといった加工食品が自宅に届きます。

糸島直送が店内にズラリ


新鮮な糸島野菜が並ぶ店内

 「美味伊都」には、トマト、レタス、ズッキーニなど、糸島から直送された20種ほどの新鮮野菜が並んでいます。売り場の奥にはキッチンがあり、仕入れた野菜を無駄にしないよう、弁当や惣菜、スムージーなどに調理・加工して売っています。


弁当やスムージー、加工品も販売

 店を運営する「FRESA」の代表取締役・前川健太さんは異色の経歴の持ち主。警察官を15年勤めたのち、福岡市議会議員選挙に挑戦するも落選、糸島では農業などで生計を立てながらハンドボールに打ち込むクラブチームの設立に携わりました。


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店のフードロスをゼロに

 前川さんは糸島の農家と交流するうち、自身が青果店を開業して、野菜の販路を広げる夢を描くようになりました。

 知り合いの青果店に話を聞いて回ると、どこも「廃棄野菜」の問題を抱えていました。形の悪さから消費者に敬遠されたり、売り場で鮮度が落ちたりすると、廃棄するしかなくなり、原価割れで販売することも。とくに、売れ行きが読みにくいコロナ禍の今は店側が仕入れに慎重になり、青果店も生産者も苦しい状況に陥りがちです。


2月にオープンした「美味伊都」の外観

 フードロスをゼロにして、廃棄野菜の問題をなくす――。その実現に向けて前川さんが出した答えが「キッチン併設の青果店」でした。

 「農業は自然が相手。美味伊都は規格や量に『適正』を求めません。農家が作ってくれた野菜はできる限り受け入れます」。たとえ見た目が違っても、品質や手間はどの野菜も同じ。前川さんの言葉には、農業をともに支える覚悟が込められています。

選ぶ楽しさをそのままに

 コロナ禍で急拡大するフードデリバリーサービスですが、青果の宅配は珍しい取り組みです。消費者の「おうち時間」に投げかける提案であると同時に、野菜の販売機会を増やす新たな挑戦でもあります。


「出前館」に出店している美味伊都のページ

 宅配サイト「出前館」で美味伊都のページを開くと、野菜や加工食品など数十品目が並ぶ充実のラインアップです。前川さんは「買い物の醍醐味は『選ぶ楽しみ』だと思います。今日はどんな献立にしようか、と思いを巡らせながら商品を見てほしい」と話しています。



店名 美味伊都(うまいと)
所在地 福岡市中央区渡辺通2-3-34 三角市場
営業時間 11:00~16:00頃
公式サイト 美味伊都


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