マルタイとサンポーが激辛カップ麺で激突! まさかの同日発売でバッチバチ

記事 INDEX

  • サンポー VS マルタイ
  • 空前の「第4次激辛ブーム」
  • 商品開発競争も"激辛"

 人気の激辛系カップ麺市場に、ラーメン激戦区・九州を代表する即席麺メーカーのマルタイ(福岡市)とサンポー食品(佐賀県基山町)が6月21日、新商品を同時発売します。「第4次激辛ブーム」といわれ、商品開発が過熱する激辛市場。「ブームを意識した」と口をそろえる両社に思惑を聞きました。


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サンポー VS マルタイ


激辛高菜豚骨ラーメン(提供:サンポー食品)

 生の紅しょうがをトッピングしたカップ麺「焼豚ラーメン」でお馴染みのサンポー食品。生の九州産辛子高菜を使用した人気の「高菜ラーメン」から派生した「激辛高菜豚骨ラーメン」(税抜き193円)を新たに売り出します。

 博多ラーメンと相性のよい辛子高菜。昨年7月に発売して好評だった同名商品のスープに改良を加え、ゴマを増量したリニューアル商品です。

 サンポー食品広報・マーケティング部によると、辛さをギリギリまで追求し「通常の高菜豚骨ラーメンと比べ、辛子高菜に用いた唐辛子の量は10倍」と解説します。


味よか隊宮崎辛麺(提供:マルタイ)

 1959年に発売した即席麺「棒ラーメン」で知られるマルタイの新商品は、宮崎県のご当地グルメ「辛麺」をカップ麺にした「味よか隊 宮崎辛麺」(税抜き172円)です。スープは数種類の唐辛子を加えたしょうゆ味で、赤ラー油を使った調味油がスープの辛さを引き立たせます。

 マルタイマーケティング部は「九州の味づくりを得意としているので、本場・宮崎の辛麺の味を再現できていると思います」と自信を口にします。


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空前の「第4次激辛ブーム」


左から「蒙古タンメン中本」「ペヤング 獄激辛担々やきそば」「蒙古タンメン中本 北極焼そば」

 激辛ブームの歴史は古く、「激辛」が流行語となった1980年代の第1次ブームに始まり、タイ料理などエスニック系が牽引した90年代の第2次。2000年代には唐辛子「ハバネロ」に代表される第3次ブームが市場を席巻しました。

 第3次ブームからは辛さが"インフレ"気味に。「蒙古タンメン中本」(セブン&アイ・ホールディングス)や「ペヤング 激辛やきそば」(まるか食品)などが有名になりました。

 第4次ブームは中国・四川料理に欠かせない「花椒(ホアジャオ)」を利かせた「しびれる味」が人気を牽引。カップ麺メーカーは次々と激辛系の新商品を市場に投入しています。


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 現在、「蒙古タンメン中本 北極焼そば」(5月3日発売、セブン&アイ・ホールディングス)や「ペヤング 獄激辛担々やきそば」(5月17日発売、まるか食品)、「カップヌードル シビれる花椒の火鍋ヌードル」(4月19日発売、日清食品)など新商品が相次ぎ、競争は激しさを増しています。

 TBS系「マツコの知らない世界」に出演経験がある即席麺マニアで、即席ラーメン専門店「やかん亭」グループ代表・大和イチロウさんは「激辛カップ麺市場は『しびれる系』から『甘辛系』へ人気が移りつつあります。YouTubeやSNSを通じた話題づくりが各社のPR戦略として欠かせず、話題先行の超激辛商品もありますが、ただ辛いだけでは支持されません。辛さ、甘さ、うまさの三位一体を追求する時代に入ってきており、開発者の腕の見せ所になっています」と解説します。


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商品開発競争も"激辛"

 群雄割拠の激辛系カップ麺市場で、九州の両雄はどこまで戦えるのか。マルタイ、サンポー食品ともに「激辛ブーム市場を意識した」と口をそろえる新商品。辛さを押し出した商品は、消費者から「辛くない」との指摘を受けることも少なくないそうで、両社は"辛旨"な商品開発に知恵を絞っています。

 マルタイ、サンポー食品は互いを意識しつつも「新商品の発売日が重なったのはまったくの偶然。九州のメーカーとしてこれからも切磋琢磨していきたいです」と話しています。

 辛いだけではヒットにつながらないのが激辛系商品の難しさ。メーカーにとって、その商品開発はホットな戦いの連続のようです。


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