糸島に運営参加型の古書店「顔がみえる本屋さん」 9月オープンへ準備着々
記事 INDEX
- 2人の移住者がプロジェクトを推進
- 福岡中心部へのアクセスはいいのに
- 本棚の数だけストーリーがある
書籍を持ち寄って共同運営する古書店「糸島の顔がみえる本屋さん」が9月4日、福岡県糸島市にオープンします。店内改装費などを募るクラウドファンディングを実施中で、プロジェクトの関係者は「人のつながりが生まれる場所にしていきたい」と話しています。
2人の移住者がプロジェクトを推進
プロジェクトの中心メンバーは、中村真紀さんと大堂良太さん。中村さんは昨年末に、大堂さんは2017年に東京から糸島市に移住してきました。
顔がみえる本屋は、JR筑前前原駅前の商店街の空き店舗を改装。東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅前に2019年にオープンした書店「ブックマンション」の仕組みを参考に、本棚を区画に仕切り、各区画の借り主たちが「店主」として書籍を販売します。
改修予定の店舗は広さ約20平方メートル。壁際に本棚を設置し、80区画を用意します。イベント会場として利用できるスペースを確保し、地域の交流拠点になることも目指しています。
福岡中心部へのアクセスはいいのに
「ここの商店街から書店がなくなって久しく、地域住民から書店を望む声は根強いようです」
筑前前原駅は福岡市・天神から電車で40分ほどの好立地ですが、駅前商店街は幹線道路沿いのチェーン店に客足を奪われ、意外にもシャッターを下ろしている店舗が目立ちます。
そういったことから、顔のみえる本屋は商店街の活性化への貢献も期待されています。
本棚の数だけストーリーがある
大堂さんは糸島の魅力を次のように語ります。「糸島の本当の魅力は自然や食べ物といった表面的なものより、移住者も受け入れてくれる寛容さや、地域に関与して地域を良くしようと汗をかける人がたくさんいるということだと思っています」
プロジェクトが目指すのは、そういった糸島の魅力に磨きをかけること。「80区画の本棚には80通りのストーリーが存在します。本をきっかけにオーナーとお客さんとの交流が始まり、地域を良くするつながりが生まれる場所にしていきたい。それが商店街の活性化にもつながることを期待しています」