こだわりの味を「キッチンカー」でお届け! 個性派が各地に登場

キッチンカーでオリジナルのカツ丼を販売する和泉さん夫妻

記事 INDEX

  • 「気軽に食べたい」に応える
  • コロナ禍と補助金で参入増加
  • 石窯でピザ! 温泉水で鍋!

 調理設備を備えた車両「キッチンカー」が増えている。コロナ禍でテイクアウトの需要が増えたことをきっかけに新たに開業する人も多く、思い入れのある料理やこだわりのメニューがそろっている。

「気軽に食べたい」に応える

 福岡県豊前市を拠点に昨年11月から各地のイベントに出店するキッチンカー「いずみ屋」の看板料理は、カツ丼だ。厚切りカツに、とろりとした洋風あんをかけたオリジナル料理で、50年以上の歴史がある。

 オーナーの和泉剛介さん(44)は同市で宴会ホールと葬儀場を営む「ニューいずみ産業」の専務で、あんかけカツ丼は同社初代社長の和泉さんの祖父が考案した。1950~70年代頃に営業していた飲食店のメニューだった料理で、15年ほど前に和泉さんが復活させた。ただ、同社にレストランはなく、ホールの宴会客にしか提供しないため、ファンから「もっと気軽に食べたい」との声が寄せられていた。


自慢のあんかけカツ丼

 コロナ禍で宴会予約がなくなる中、豊前市が2021年度限定でキッチンカーの車両購入費を200万円を上限に補助すると知り、和泉さんは妻の絵美さん(43)と共に挑戦を決めた。「移動が自由なキッチンカーなら、オンリーワンのカツ丼をより多くの人に食べてもらえる」と和泉さん。10月16日に市内のイベントで出店した際にも130食を完売し、北九州市から家族を連れて食べに来た森本真也さん(35)は「このカツ丼が目当てでした」とうれしそうだった。


advertisement

コロナ禍と補助金で参入増加

 キッチンカーの出店は増えている。福岡市食品安全推進課によると、市の営業許可を得て移動営業をする車両は、18年度末の442台から21年度末は654台に増加。車両購入費の一部を補助する自治体もあり追い風になっている。

 移動販売車の製造・販売を行う古賀市の「誠矢製作所」によると、移動販売車なら最低300万円程度から開業が可能で、店舗を開く前に経験を積もうと挑戦する人も多いという。コロナ禍で店を辞めたシェフが始める例もあり、同社の柳本誠社長(47)は「車両でも本格的な設備を備えることができ、提供できる料理も幅広い」と説明する。

石窯でピザ! 温泉水で鍋!


キッチンカーで調理するオーリアックさん

 飯塚市を中心に営業するキッチンカー「Pizza Bella(ピザベラ)」は、車内に最高500度に達するイタリア製石窯を搭載する。シェフは7年ほど前に来日したフランス人のヨハン・オーリアックさん(35)で、「ピザ職人になりたい」との夢を抱いて有名店で2年間ピザ作りを学び、昨年11月に開業した。


 小麦粉やトマトソースはイタリア産を使っており、「フランス風 豚バラピザ」など11種類を提供。オーリアックさんは「ピザの耳はふっくら焼き上げるのが本場イタリア風。熱々で楽しんで」と話す。

 温泉巡りが趣味という福岡市の中島嗣将(つぐまさ)さん(43)は昨年8月、キッチンカー「EAT SPA(イート・スパ)」の営業を始めた。


スンドゥブを手にする中島さん


 提供するのは、鹿児島県・霧島温泉などの飲用温泉水を使った韓国料理・スンドゥブ。中島さんによると、温泉水を使うことで食材の甘みやうまみが増す効果があるといい、「入浴だけではない温泉の魅力を、グルメの切り口で伝えていきたい」と意気込む。11月からお汁粉も販売する予定だ。


温泉水で作る料理のおいしさをPR

 気になる情報やテーマをメールでお寄せください。


advertisement

この記事をシェアする