フワフワ愛くるしい姿に夢中 卯年で注目の「うさぎ」
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- 人懐っこい「家族の一員」
- 触れ合えるカフェも人気
- 「最期まで愛情を注いで」
卯(う)年にちなんで、うさぎが注目されている。フワフワの毛やつぶらな瞳といった愛くるしい姿に、夢中になる人も多いようだ。
人懐っこい「家族の一員」
昨年12月下旬、福岡市東区のペットショップ「九州うさぎCLUB」に、福岡県古賀市の公務員、楢橋浩太郎さんと妻の佐恵佳さんがうさぎの「こたろー」と「ベビ蔵」を連れてきた。
店内にはうさぎを撮影できるミニスタジオがあり、この日は門松や金屏風(びょうぶ)を配置した正月風の飾り付け。楢橋さん夫妻は2匹を中心に座らせてスマートフォンで”晴れ姿”を撮影し、「こたろーは人懐っこく、ベビ蔵はやんちゃ。大事な家族の一員です」と目を細めた。
うさぎには声帯がないため鳴かず、草食で体があまりにおわないことなどからマンションなどでも飼いやすい。店長の赤星美佳さんによると、シャンプーや散歩、毛のカットは必要なく、声とにおいで飼い主を覚えてなつくという。
同店では耳が垂れた「ホーランドロップ」と、小型で耳が立った「ネザーランドドワーフ」の2種を扱い、うさぎ用の帽子などファッションアイテムもそろえる。赤星さんは「かわいい家族におしゃれさせたい飼い主さんは多い。ただ、嫌がる子もいるので無理はしないで」と説明する。
触れ合えるカフェも人気
福岡市のうさぎ小物作家の明日香さんは、インスタグラムを通して手作りのハーネスなどを販売している。
ハーネスにはフード付きやフリルをあしらったタイプなどがあり、装着すると服やドレスを着ているように見える。アカウントは「アスカラパン(@asuka.lapin)」で、体の大きさに合わせてセミオーダーで作製。明日香さんは「着せて撮影を楽しむ人や、『うさんぽ(うさぎの散歩)』に使う人もいます」と話す。
家で飼えない人が気軽に触れ合える場もある。春日市のカフェ「クリームシャンティ」は、お茶を飲みながらうさぎや猫と遊べる。60分1000円(1ドリンク制)で、猫とは別の部屋にうさぎ5匹がいて、おやつをあげたりなでたりできる。
店長の山田千夏さんは「意外と表情や感情が豊かな動物で、フワフワな毛並みは触り心地抜群です」と魅力を語る。
「最期まで愛情を注いで」
ペット保険大手のアニコム損害保険(東京)によると、うさぎの契約数は犬、猫に次いで3番目に多く、年々増加している。2020年度は2万1604匹で、14年度の約7倍になった。
ただ、途中で飼えなくなり、捨ててしまう飼い主もいる。昨年7月には、福岡市東区に民間施設「うさぎ愛護センター」が開設され、警察に拾得物として届けられたうさぎなどを保護して飼い主探しを行っている。昨年末までに34匹を保護し、うち24匹を新たな家族につないだ。
コロナ禍で在宅時間が増えてうさぎを飼い始める家庭がある一方、飼い主のアレルギーや高齢化などで「飼えなくなった」という相談も多いという。所長の水上怜奈さんは「愛情をたっぷり注ぎ、最期まで面倒を見てほしい。いつかは保護されるうさぎがゼロになれば」と願う。
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