「販売日限定スイーツ」 話題の味に行列ができる人気店も

福岡県内にある販売日限定店の人気スイーツ

記事 INDEX

  • 自宅に店をオープン
  • しっかり準備に時間
  • SNSを上手に活用!

 週2、3日しか開かない小さなスイーツ店が増えている。店主のライフスタイルや味へのこだわりから営業日を少なくして、SNSを利用して集客。中には注目され、行列ができる店もある。

自宅に店をオープン

 福岡県新宮町の住宅街に、週3日だけ開店するブリュレ専門店「菓子工房Aizen(アイゼン)」がある。外見は普通の一軒家だが、開店日になるとのぼりが出て客が集まり、月に約2000個を売り上げる。昨年12月に店でブリュレを購入した同町の松本希望さん(28)は「SNSで話題になっていたので食べたかった」とうれしそうだ。


ブリュレを紹介する光安さん


 店主の光安勇樹さん(35)は、妻はるかさん(36)や3~8歳の息子の家族5人で店舗兼自宅に暮らす。製菓専門学校を卒業後にケーキ店で約6年間修業したが、結婚を機に家族のためにと菓子とは無関係の仕事に転職。それでも「自分が作った菓子を食べてもらいたい」との夢を忘れられず、オーブンなどの設備を備えた自宅を新築し、2021年5月に店をオープンした。


週に3日だけ営業する


 定番のブリュレ(330円)のほか抹茶味などがあり、ネット販売も行う。製造から販売まで1人で担うため営業日の木~土曜以外は仕込みと発送作業に充て、日曜は完全オフで家族と過ごす。「仕事と家族の時間を両立できる理想的な働き方です」とほほえむ。


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しっかり準備に時間

 福岡市中央区のシュークリーム専門店「kohakudo(コハクドウ)」は2018年にオープン。1人で切り盛りする店主の大津真理さんには小学生の子どもがいて、店を開くのは週3日程度だ。

 営業日は不定期で、インスタグラムで告知するだけ。それでも多い日は開店前に20人以上が並ぶ。シュークリームは1個350円から。約250個が2時間ほどで完売し、大津さんは「うれしい悲鳴です」と語る。


「kohakudo」と人気のシュークリーム



 北九州市門司区の焼き菓子店「CLICK(クリック)」は22年6月に開業し、木~土曜のみ店を開く。看板商品はバターの代わりに米油を使ったオイルマフィン。店主は3人の子どもの母親で、「我が子に食べさせたいと思えるものを、自由に作っています」と話す。1個360円から。


オイルマフィンと「CLICK」の外観



 20年にオープンした福智町のクレープ専門店「ひよちゃんちクレープ」の営業日は金~日曜。キャラメルバターシュガー(480円)などが人気で、1日500個売れたこともあるそうだ。

 店を営む日吉慶司朗さん(29)と妻の晴香さん(29)は料理人の経験があり、生地や生クリーム、アイスクリームなどは全て手作り。「仕込みに時間がかかるため営業日を少なくした」と説明する。


「ひよちゃんちクレープ」の店舗と人気の商品



 小郡市のスコーン専門店「やきがし屋R」も「マイペースで働きたい」と開店日を火曜と木曜に絞り、ネット販売も行う。15年のオープン後、行列ができて困ったことなどから、予約制に切り替えた。プレーン(180円)などがあり、前日までに購入する種類と数を伝える。


予約制でスコーンを販売する「やきがし屋R」

SNSを上手に活用!

 こうした店に共通するのは、SNSの活用だ。集客支援サービスを提供する会社「ライスカレー」(東京)の上級執行役員の辻馨さん(31)によると、特にインスタグラムは検索ワードや位置情報をつけることで集客につなげやすい。

 「働き方が多様になる中、営業形態も自由になっている。そうした店は、営業日や新商品といった情報を投稿で発信できるSNSとの親和性が高く、成功するケースも多いのでは」と分析する。

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