「コインランドリー」進化形 カフェ風の内装、充実の機能

おしゃれな空間の「ランドリーカフェ 糸島潤店」

記事 INDEX

  • リラックスできる空間
  • 他業界から続々と参入
  • 人や環境にやさしく!

 コインランドリーが増えている。共働き世帯の増加などを背景に利用が伸び、幅広いニーズに対応したサービスや機能も登場している。福岡県内の店舗を紹介する。

リラックスできる空間

 糸島市には、リモートワークや読書などに便利な「ランドリーカフェ 糸島潤店」がある。洗濯機・乾燥機12基などが並ぶ店内にはおしゃれなテーブルとイスが配置され、電源と無料Wi-Fiも完備。24時間営業で、観葉植物と照明でくつろげる空間を演出し、約20種類から選べるカップ式飲料自販機とトイレも備える。布団や毛布を洗いに来た会社員女性(25)は「リラックスできるインテリアがうれしい」と話した。


観葉植物や照明で演出された店内


 運営は不動産投資のコンサルティングなどを手掛ける「ワイズプランニング」(福岡市)。新規事業を模索する中、人件費が少ないコインランドリーに着目し、2018年以降4店を県内外に開いた。同社ミライ環境事業部長の西野達也さん(62)は「主なターゲットは女性。居心地のいい店を目指します」と意気込む。


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他業界から続々と参入

 業務用洗濯乾燥機の大手メーカー「TOSEI」(東京)の調査によると、1999年に約1万1800店だったコインランドリーの店数は、2021年には約2万5000店に伸びた。背景には共働き世帯の増加があり、コロナ禍で衛生意識が高まったことも出店を後押し。「布団丸洗い」「お湯洗い」「ダニ退治」「スニーカー専用」など、洗濯乾燥機の機能や種類も増えている。

 他業界からの参入も相次いでおり、昨年5月には須恵町のカー用品量販店「ジェームス 須恵インター店」に、コインランドリーが併設された。


「ジェームス 須恵インター店」併設のコインランドリー。最新の布団乾燥機がある

 「ジェームス」のフランチャイズ事業などを行う「トヨタ モビリティパーツ」(本部・名古屋市)が、「車のメンテナンスやカー用品の購入の合間に利用してほしい」との狙いで開業した。人気は最新の布団乾燥機「リフレッシュスチーマー」で、布団をかけると蒸気の力で除菌・消臭し、ダニを100%死滅させる効果があるという。

人や環境にやさしく!

 福岡市の「エコラックス ランドリー 東油山店」は、スウェーデンの家電メーカー「エレクトロラックス・プロフェッショナル」がプロデュースした国内1号店で、洗濯機や乾燥機は同社製品で統一。植物由来の洗剤と柔軟剤が自動投入されるため洗剤を持参しなくてよく、環境に配慮できることが特徴だ。


白と青を基調とした「エコラックス ランドリー 東油山店」

 利用料の一部を森林保全や野生動物保護に役立てており、運営する「エルシー」(福岡市)の社長・山田秀安さん(58)は「人や環境にやさしいサービスを提供したい」と力を込める。

 志免町の「wash+(ウォッシュプラス)志免店」は、強い洗浄力のあるアルカリイオン水を使用しており、洗剤を使わず洗える。肌の弱い人や赤ちゃんがいる家庭に好評という。


アルカリイオン水で洗える「wash+ 志免店」

 スマートフォンの専用アプリがあり、乾燥終了3分前に通知が届くほか、空き状況の確認やキャッシュレス決済が可能。アプリには、洗濯機の予約や、洗濯・乾燥時間の調整、ドアロックなどの機能もあり、会員資格に応じて利用できる。

 全国展開する「wash-plus」(千葉県)の九州初フランチャイズ店で、ラーメン店を運営する「博多三気」(福岡市)が2021年にオープン。担当の原田高太郎さん(41)は「時代のニーズに応えていきたい」と話す。

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