古民家×サウナで地域おこしを 元小学校教諭が大刀洗町で奮闘中!

古民家×サウナで地域おこしに取り組む阿部さん

記事 INDEX

  • 香港での出会いがきっかけ
  • 「サウナ村」プロジェクト
  • 雇用を生んで地域を元気に

 福岡県大刀洗町で、築約120年の古民家とサウナを組み合わせて再生を目指す取り組みが進んでいます。中心で動いているのは、地域おこし協力隊員の阿部幹也さん。縁もゆかりもない土地に飛び込んできた阿部さんの異色の経歴とその挑戦とは――。

香港での出会いがきっかけ

 古民家があるのは町役場から北に2キロほど、かつて酒蔵が並んでいた大刀洗町本郷。現在は500坪ほどの敷地に古民家や倉庫などが残っています。「はじめは雑草や木が生い茂り、不用品もたくさんありました」と阿部さんは振り返ります。


築約120年になるという古民家

 阿部さんは横浜市出身。地元で小学校教諭をしていましたが、「自分の可能性を広げたい」と2018年に香港の日本人学校へ。現地で暮らす子どもたちを指導しました。

 大刀洗町のことを知ったのは、香港福岡県人会の集まり。会長に招かれて参加すると、PRに訪れていた町の職員に出会ったそうです。小さな町がわざわざ香港へ来て活動する姿に感銘を受け、町が募っていた応援大使をその場で引き受けたといいます。


古民家の1階の様子

 その後も香港の日本人学校で教壇に立ちましたが、3年の赴任期間が昨年で満期に。次の挑戦の場をオーストラリアに定め、準備を整えていたものの、コロナ禍のため渡航はかないませんでした。

 オーストラリア行きを断念した直後、香港福岡県人会の会長に「大刀洗町が地域おこし協力隊員を募集している」と聞きました。「運命というのか、これは呼ばれているな」。そう感じて2021年6月、地域おこし協力隊員として大刀洗町へ移住します。


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「サウナ村」プロジェクト

 新天地で任されたのは、社会問題となっている空き家の対策。ただ、阿部さんは古い建物を壊したり、改修したりするだけでは、根本的な解決にならないと感じていました。誰かの住居ではなく、"遊び場"としての再生を考えていたときに思い浮かんだのが、移住前に訪問した北海道で体験したサウナでした。


 古民家の活用法を模索していた所有者が相談に訪れたタイミングも重なり、古民家とサウナを柱に再生を進める「サウナ村」プロジェクトが動き出しました。

 まず、のこぎりや鍬を使い、雑草や雑木が伸び放題だった古民家の敷地を整備。大量にあった不用品の撤去も進めました。そうした活動をYoutubeで公開すると、地域住民にも少しずつ理解が広がり、「動画、見てるよ!」と声をかけてくれる人や作業を手伝ってくれる人も現れました。


イベントのために購入したテントサウナ

 Youtubeへの出演を機に、イベント実施のためのクラウドファンディングも行うことになり、テントサウナなどの購入にもつながりました。

雇用を生んで地域を元気に

 移住から半年ほど経った1月15日には、初のイベントを開催。町内外から約20人が参加し、サウナやバーベキュー、餅つきなどを楽しみました。


 「とにかく雇用を生むことが地域おこしにつながります。ここに事務所を構える会社をつくって雇用を生み、大刀洗にお金が落ちるようにする――。サウナ村はそのきっかけづくりだと思っています」と語る阿部さん。敷地の畑での農業体験、倉庫を解体するイベント、古民家のお化け屋敷化など"遊び場"のアイデアは尽きません。

 資金面の課題はあるものの、法人を設立してログハウスを建て、サウナを楽しめる宿泊施設にすることも考えているそうです。「大刀洗町は人がよく、寛容で可能性を感じています。『思い立ったら即行動!』の気持ちで、サウナ村をハブにいろんなことに挑戦できればと思っています」



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