酒蔵に立つ古民家をにぎわい発信地に サウナも楽しめる「うきは酒宿 いそのさわ」

いそのさわ社長の中川さん(右)とヴィレッジインクの上田さん

記事 INDEX

  • 創業家を引き継いで社長に
  • 酒のタンクを水風呂に活用
  • 別邸やキャンプ場も近く開業

 福岡県うきは市で唯一の酒蔵が、敷地内にある築約130年の古民家を改装し、「うきは酒宿 いそのさわ」をオープンしました。地元食材や日本酒を味わえる食堂、樽(たる)の形のサウナ小屋や貯蔵タンクを改修した水風呂など、ほかではできない体験を提供して観光客を呼び込み、地域活性化の拠点になることを目指しています。

創業家を引き継いで社長に

 施設があるのは、JRうきは駅に近いうきは市浮羽町の酒蔵「いそのさわ」です。創業した1893年(明治26年)頃に建てられた木造2階建てで、かつては住居兼店舗として使われたといいます。「何十年も使われておらず、はじめはとても傷んでいました」。いそのさわ社長の中川次郎さんは振り返ります。


築約130年になるという古民家

 中川さんは、広告代理店で勤務し、その関係で地域の古い家を再生する事業に取り組んできました。うきは市の活性化にも携わっていた5年ほど前、いそのさわの前社長から相談を受け、古民家を宿泊や飲食を中心とした施設に改装する計画がスタート。当初は外部から支援する立場でしたが、準備がととのってきた昨年、創業家が引退することになり、要請を受けて社長に就きました。


いそのさわで人気の銘柄「駿」

 「まわりの誰もが、私が社長に就任するなんて思ってもなかった」。それでも社長を引き受けた後は、古民家のリノベーションを進め、キャンプ事業を展開する「ヴィレッジインク」(静岡県)などの協力も受けて昨年12月に施設を完成させました。


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酒のタンクを水風呂に活用

 「昔の風合いを残すように努力した」という施設は、古民家ならではの落ち着いた雰囲気。照明に一升瓶や酒升を利用して、酒蔵らしさを演出するなど細かいところにもこだわりました。


酒升や一升瓶を使った照明

 1階は地元の高齢者が手作り料理を振る舞う「ばあちゃん食堂」。食堂奥の座敷は、シェアオフィスとしても利用でき、すでに数人が登録しているそうです。2階は窓から酒蔵を望める宿泊エリアで、ヴィレッジインクのスタッフが運営にあたっています。

 宿泊者は蔵で造る日本酒が飲み放題に。地元の料理や窓からの景色を楽しみながら自慢の酒を味わえます。


畳に座って食事ができる「ばあちゃん食堂」

 建物から出ると、真っ白いタンクが庭に三つ並んでいます。高さは約3メートルで、シャワールームが二つと水風呂が一つ。もとは酒を貯蔵していたもので、色を塗り直したり、側面に開口部を設けたりして、人が出入りできるようにしました。

 水は、酒を仕込むのと同じ地下水を使用。タンクの隣には酒樽を模したサウナが設置されており、体を温めてからタンクに入ると、お酒になった気分になれるかもしれません。


酒の貯蔵タンクをシャワールームや水風呂に。奥はサウナ

 中川さんは「現役の酒蔵の敷地内に泊まれるのは日本でここだけ。いろんな人が関わっていろんなアイデアが出たおかげで、楽しい場所になりました」と胸を張ります。ヴィレッジインクの上田和弥さんは1月下旬に静岡から転勤してきたばかり。「人の流れがどんどん大きくなっていくはず。とてもわくわくしています」と笑顔です。

別邸やキャンプ場も近く開業

 中川さんたちは、施設を拠点に様々な計画を進めています。車で15分ほど離れたかやぶき屋根の離れは「別邸」として3月中に開業する予定。廃校になった旧姫治小学校は、運動場をオートキャンプ場にして夏頃にオープンし、校舎なども宿泊施設にします。酒蔵では、コロナ禍で延期していた蔵開きを3月27日に開催するとのことです。


酒を造っている現役のタンク

 「施設を地区の祭りやマルシェが行える交流場所にできればと、地域の人とも話しています。この場所から、地域の魅力を発信していけることを望んでいます」と中川さんは話しています。




施設名 うきは酒宿 いそのさわ
所在地 福岡県うきは市浮羽町西隈上1-2
料金 4人まで平日1泊5万円から(税抜き)。5人目から1人につき別途1万円。最大9人まで。要予約。
公式サイト いそのさわ

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