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秋風に揺れる黄金色の稲穂やヒガンバナ――。山の斜面や谷間に造られた階段状の水田「棚田」は、日本の原風景とも言われ、訪れる人を魅了します。福岡県内にも、農林水産省の「日本の棚田百選」や「つなぐ棚田遺産」に認定された美しい風景があります。県内のおすすめ棚田5選を、季節のイベント情報とともにまとめました。
記事 INDEX
- つづら棚田/うきは市
- 竹棚田/東峰村
- 広内・上原の棚田/八女市
- 鹿里の棚田/八女市
- 吉井上の棚田/糸島市
つづら棚田
つづら棚田は、うきは市の山間部にある葛籠(つづら)地区にあります。標高400メートルを超える斜面に石積みの棚田が並び、広さ約6ヘクタールに300枚ほどの田んぼが築かれています。棚田の石は400年以上前の江戸時代に組まれたとされ、以来、住民らの手によって維持管理されてきました。
棚田を見渡せる場所に駐車場やトイレが整備されています。車を止めて周囲を散策すると、棚田の中央を流れる川の音や虫の声も聞こえてきます。
「うきは棚田マルシェ」
9月23、24日の11~16時には、棚田の近くにある「ひめはるビジターセンター」(うきは市浮羽町新川3025ー1)で、農産物などを集めた「うきは棚田マルシェ」が開催されます。山あいでとれた新米やジビエ、地元食材で作った料理やスイーツなどを販売する予定です。問い合わせは、マルシェを主催するVISIT九州へ。
竹棚田
東峰村の竹棚田は、標高130~400メートルにわたって石積みの棚田約400枚が連なっています。毎年6月頃に田植えが行われ、その後、田んぼのあぜ道などに沿って明かりをともす「火祭り」があることで知られます。
9月頃には稲穂が黄金色に輝く季節を迎えます。稲刈りの後は、地元住民らが棚田の石積みをライトアップするイベントなどを開き、地域を温かく照らします。
「竹棚田ライトアップ&棚田でCAMP」
竹棚田のライトアップは10月28日~11月6日の18~21時に行われ、豊かな自然の中で幻想的な雰囲気を味わえます。期間中は、稲を刈った棚田にテントを張ってキャンプを楽しめるイベントも。キャンプは1日15組限定で、9月17日から予約受け付けを始めました。問い合わせは、東峰村の岩屋キャンプ場(0946-23-8423)へ。
「棚田でコンサート&棚田でグルメ」
11月5日には「棚田でコンサート&棚田でグルメ」が開かれます。棚田にステージを設けてピアノやフルート、ギター弾き語りなどのコンサート(18~19時)を行い、竹棚田交流館や里山カフェ棚田屋で食事(20時30分まで)も楽しめます。
広内・上原の棚田
広内・上原(ひろうち・うえばる)の棚田は八女市星野村の広内地区と上原地区にあり、精巧な石積みが特徴です。標高差は約230メートルで、約13ヘクタールに400枚以上の田んぼが広がります。
1999年に農水省の「日本の棚田百選」にも選ばれました。9月20日前後にヒガンバナが見頃を迎え、棚田の石積みとの鮮やかなコントラストを楽しめるそうです。
鹿里の棚田
八女市星野村の中でも標高の高い鹿里(ろくり)集落に位置する鹿里の棚田。お彼岸の頃には稲穂が色づき、あぜ道に真っ赤なヒガンバナが咲き誇ります。花の見頃は9月20日前後から1週間ほど。農水省の「つなぐ棚田遺産」にも認定されています。
「彼岸花まつり」
9月23、24日に地元住民による「彼岸花まつり」を予定しています。10~16時で、24日は15時まで。米などの農産物、いもまんじゅうなどの加工品を販売します。
吉井上の棚田
吉井上の棚田(糸島市)は、稲穂が赤い「赤米」などを植えた田んぼに文字や図が描かれた「田んぼアート」が楽しめます。棚田の中には一帯を見渡せるやぐらがあり、ツーリングやドライブで訪れた人たちが思い出を写真に残しています。
やぐらから田んぼを見下ろすと「米のあるけん 大丈夫ばい」という文字が浮かびあがります。文言は、ロシアのウクライナ侵攻による穀物の値上がりなどを受けて考えたもので、「お米を食べて元気になって」という農家の思いを込めているそうです。
アートが楽しめる田んぼは観賞用で、11月上旬に行うイベントまで稲刈りをしません。ただ稲が成長するため、文字がきれいに見えるのは9月下旬頃までとのことです。
おすすめ棚田5選の基本情報
稲刈りの時期や見頃は、天候などにより変わる可能性があります。イベントも新型コロナウイルスの感染状況によって変更されることがあります。