1999年7月15日、福岡市博多区の老舗百貨店・福岡玉屋が閉店した。消費の長期低迷に加え、周辺の商業施設との競争に押され、百貨店としての74年の歴史に幕を下ろした。
閉店前日の14日には、博多祇園山笠の「中洲流(ながれ)」が店の前で舁(か)き山を止め、「博多祝い唄」と「博多手一本」で別れを告げた。
最後の営業となった15日は、創業以来最高という約7万人が来店。店内は閉店を知らせるアナウンスの後も買い物客でごった返し、午後8時10分に出入り口のシャッターが下ろされた。「蛍の光」のメロディーが流れる中、幹部社員や従業員が玄関前で頭を下げて最後の客を見送った。
跡地には現在、商業ビル「gate's(ゲイツ)」が立っている。