無人ドレス店が福岡市・舞鶴にオープン 試着も気軽に

 ウェディングドレスの販売やパーティードレスのレンタルを行う無人店舗「anotherDRESS(アナザードレス)」が福岡市中央区舞鶴にオープンした。「接客の目を気にせずに気軽にドレスを楽しんでほしい」とのオーナーの思いが込められており、親子や友人同士などで訪れた人たちが、思い思いに何着も試着を楽しんでいる。


自由にドレスを試着できる無人店舗を開いた山本さん

 「アナザードレス」は、福岡市地下鉄・赤坂駅から徒歩5分ほどのマンション1階にある。無人の店内にはレンタル用のパーティードレス40着ほどと、販売用のウェディングドレス20着ほどが並び、自由に試着できる。来店予約はLINEで受け付け、時間になると入り口の解錠ナンバーが届き、入店できる仕組みだ。レンタル・購入代金もLINEで決済でき、レンタル料金は3泊4日で5000円ほどで、クリーニングなしで返却できる。

Uターンした女性が開業

 オーナーは、昨年夏、東京から福岡市内にUターン移住した山本絵美さん。関西の大学を卒業後、リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」の営業をした後、東京のドレスショップに転職。結婚・出産の傍ら、販売促進や社員研修などを10年以上担当してきた。

 転機になったのは、新型コロナウイルスの感染拡大だった。外出自粛が呼びかけられ、小学生になった2人の子どもを連れ出す場所もない。仕事もリモートワークが増える中、「東京のど真ん中で暮らす意味はあるのかな」と疑問を抱くようになり、故郷の福岡への移住を夫に提案したところ、自然の豊かさや交通の利便性を気に入ってくれて、2021年夏に移り住んだ。

 福岡で暮らし始めると、東京と比べて最新デザインのドレスの扱いが少ないと感じた。ドレスショップの多くは式場や挙式日が決まっていないと来店予約ができず、「若い女性が多い福岡で、ドレスに触れる機会がないのはもったいない」との思いが募った。気軽にドレスを試着できる店を自ら開くことにし、10月にオープンさせた。


予約者は解錠ナンバーを使って入店する

 移住後も前職のドレスショップの仕事に携わっているため、東京出張の際に最新のドレスの情報を把握しつつ、写真映えする華やかなドレスを選んで買い取っている。店舗は無人だが、希望があればウェディングドレスの接客対応やフォトウェディングの案内も行っている。山本さんは「ドレス選びの『もう一つの選択肢』の場として、足を運んでもらえるとうれしい」と話している。

 店舗への問い合わせは、インスタグラムから。


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