小倉昭和館「続編」へ船出 12月の再開めざして地鎮祭

元の場所で再建

 昨年8月、北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場付近で起きた2度目の大規模火災で焼失した老舗映画館「小倉昭和館」の跡地で4月12日、同館再建に向けた地鎮祭が行われた。樋口智巳館主や武内和久市長、旦過市場関係者ら約30人が参加。樋口館主は「皆様の支援がなければ、この日を迎えられなかった。昭和館の物語は続きが始まる。できあがる様子を楽しみにしていただきたい」とあいさつした。


小倉昭和館の再建に向けて地鎮祭に参加した樋口館主

 地鎮祭では、樋口館主と先代の父・昭正(てるまさ)さん、共に再建準備を進める次男・直樹さんが3人でくわ入れをして安全を祈願。樋口館主のほか、武内市長らも玉串をささげた。武内市長は「奇跡の復活に向けたクランクイン。映画文化の振興を通じた地域活性化のため、共に歩んでいく」とエールを送った。

 昭和館は元の場所に、鉄筋コンクリート平屋(約330平方メートル)で再建される。1スクリーンで約135席を予定。13日に着工し、12月の営業再開を目指している。

クラウドファンディングは4月末まで

 新たな建物は火災前の所有企業が建設し、昭和館が座席や映写機などの設備を用意する。4月末まで3000万円を目標にクラウドファンディングで設備調達費を募っており、12日午前までに1600万円を超える寄付が寄せられた。

 地鎮祭後、樋口館主は「ここの壁紙は自分が費用を出したんだよと言えるような映画館になると思う。どうぞプロジェクトに参加していただきたい」と呼びかけ、「旦過市場の皆様の一生懸命な姿を励みに昭和館も頑張ってきたので、この地に戻りたいという思いだった。ちょっと立ち寄りたいと思える場所にしていきたい」とほほ笑んだ。


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