フランスで5月開催される第76回カンヌ国際映画祭で、先鋭的な9作品を紹介する「ACID部門」の出品作に、北九州市でのオールロケで撮影された長編映画「逃げきれた夢」(二ノ宮隆太郎監督)が選出された。
作品は北九州市の定時制高校の教頭が主人公の人間ドラマで、同市出身の俳優、光石研さんが主演。同じく同市出身の俳優、吉本実憂さんらが共演している。ロケは2021年12月、市内の公園や喫茶店、学校など約20か所で行われた。
約600の応募から9作品の一つに
配給会社「キノフィルムズ」(東京)によると、ACID部門は映画作家らでつくる「インディペンデント映画普及協会(ACID)」が1993年に創設。今回は約600の応募作品の中から9作品の一つに選ばれた。選出作は映画祭で上映される。
光石さんは同社を通じて「我が九州弁がカンヌに轟(とどろ)く快感、身震いします」とコメント。ロケの誘致と支援を行った北九州フィルム・コミッション事務局の上田秀栄次長は、「北九州の街が世界の映画関係者の目に触れるまたとないチャンス。映画の街としてのアピールにもなる」と喜んでいる。