江戸時代の柳川文化を紹介 市がシリーズの7冊目を刊行

 福岡県柳川市は、「柳川の歴史・通史シリーズ」の7冊目となる「近世柳川の武家文化」を刊行した。江戸時代の柳川(柳河)藩主・立花家のもとで発展した学問や文化などの変遷をまとめた。

「近世柳川の武家文化」


 同市の柳川古文書館によると、柳川藩では藩学の祖といわれる安東省菴(せいあん)以来、安東家が代々、立花家の文事・学問を担ってきたが、18世紀後半になると領外に人材を求める動きが活発になった。寛政期(1789~1801年)に福岡から招いた牧園茅山(ぼうざん)は、藩士の子弟の教育に力を入れ、藩校伝習館の設立に尽力。南朝研究の書を著すなどした。


「近世柳川の武家文化」


 文政期(1818~30年)には、8代藩主の子で家督を継がなかった立花蘭斎を中心に、漢詩の詩作などを行う文芸サロンが藩内に作られ、文化人が集った。

 また、立花家には武芸を貴ぶ気風があり、剣術や弓術、馬術などの鍛錬が盛んに行われたという。

 「近世柳川の武家文化」は四六判、566ページ。安東省菴や牧園茅山、藩校伝習館などについて紹介している。柳川の歴史・通史シリーズは全10巻を刊行予定。税込み1500円。柳川古文書館(0944-72-1275)などで販売している。


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