福岡県久留米市田主丸町の果樹園で、今季の観光ブドウ狩りが始まった。7月の記録的大雨で被災した果樹園もあったが、ボランティアらの協力で復旧作業を進め、オープンにこぎ着けた。ブドウ狩りは9月下旬まで楽しめる。
同町の32の果樹園でつくる「田主丸観光ぶどう協会」の平英治会長によると、加盟園の約2割で土砂が流れ込んだり、園に通じる道が土砂崩れで通れなくなったりする被害が出たという。
ボランティアらの協力で
同町益生田の「出田(いでた)緑果園」は、近くを流れる川が氾濫し、約60アールの園内に大量の泥水や土砂が流れ込んだ。被災後は、八女市星野村のボランティア団体などが支援に駆けつけ、重機を使って泥のかき出し作業を手伝ってくれ、8月11日から観光ブドウ狩りの受け入れを始めることができた。
ブドウ狩りでは、「巨峰」の収穫を体験できるほか、贈答用に「シャインマスカット」などの品種の郵送も行っている。15日に訪れた福岡市城南区の大学非常勤講師(67)は「ブドウ園が被災したことを知り、少しでも応援できればと思って来た」と話した。
園主の出田圭三さんは「ボランティアの皆さんのお陰で、今年もブドウ狩りを始めることができた。被災したが、今年もおいしいブドウが実ったので、ぜひ来てほしい」と話している。
ブドウ狩りの問い合わせは、田主丸観光ぶどう協会ぶどう狩り案内所(0943-72-1208、午前9時~午後4時)へ。