福岡城跡がある舞鶴公園(福岡市中央区)の東側の裁判所跡地に10月5日、公園の新たな玄関口となる「エントランスエリア」がオープンした。築城当時を再現した園路区画が整備され、上之橋御門(かみのはしごもん)を通る当時の「入城動線」が150年ぶりによみがえった。
福岡城の築城当時を再現
再整備は、福岡県と福岡市が大濠公園と舞鶴公園で進める「セントラルパーク構想」の一環。裁判所が2018年8月に九州大六本松キャンパス跡地(同市中央区)に移転したことを受け、整備が進められてきた。
跡地は、明治6年(1873年)から陸軍の施設として使われ、その後裁判所となった。明治通りから石垣に囲まれた上之橋御門跡付近を通って新設された階段を上ると、鴻臚館(こうろかん)広場に続くL字形の園路につながっていく。上之橋御門跡を通る当時の入城動線は150年ぶりの復活となる。
L字形の園路は幅約30メートル、長さは約130メートル。江戸時代の古地図によると、周辺に屋敷が並んでいたことがわかっており、当時の区画を再現して作られたという。
案内施設やベンチ、駐車場も整備
園路付近には、PR動画の視聴やパンフレットが入手できるトレーラーハウスの案内施設やベンチ、街灯などが整備されたほか、大型バスや乗用車計295台を収容する駐車場も完成した。
また、舞鶴公園内の平和台陸上競技場そばと、二の丸にあったテニスコート(計3面)も裁判所跡地に移設した。テニスコートの跡地は、芝生などを整えた広場に生まれ変わるという。
5日午前、エリア近くで開かれたオープニングセレモニーでは、地元住民や保育園児らが新しい園路を渡り初めし、園路そばで桜の植樹を行った。
赤坂校区自治協議会の日野正則会長は「これまで駐車場が遠くて不便だったので、使いやすくなってよかった。多くの観光客に来てもらい、公園の魅力向上につながってほしい」と喜んだ。
駐車場は、最初の2時間までは1時間あたり150円。2時間以降は同400円。テニスコートは1時間あたり800円で利用できる。