芸術家・岡本太郎(1911~96年)が撮影した写真を中心に絵画や彫刻など約130点を紹介する「岡本太郎の写真・日本を見つめる眼」が、福岡県筑後市の九州芸文館で開かれている。12月3日まで。
20世紀を代表する芸術家と評される岡本は、独特の抽象画や「芸術は爆発だ!」といった発言、大阪万博(1970年)のシンボル「太陽の塔」を制作したことなどで注目を集めた。各地の祭りや人々の暮らしぶりにも関心が強く、多くの写真を撮り続けたことで知られている。
展覧会は開館10周年記念展として企画。展示している約100点の写真は、川崎市岡本太郎美術館が所蔵している。考古資料として扱われていた縄文土器を「日本美術史のはじまり」と位置づけ、日本文化や美意識について提言したことを写真と文章で紹介。1950年代に撮影した秋田県の「なまはげ」などの祭りや沖縄の人々、長崎県の眼鏡橋、島根県の出雲大社の写真などが並ぶ。
また、高さ1.45メートルの太陽の塔、カラフルな色彩の油彩画「二つの顔」、ユニークなデザインの「坐(すわ)ることを拒否する椅子」なども展示されている。
開館時間は午前10時~午後5時。月曜休館。観覧料は一般800円、高校大学生500円、小中学生300円。65歳以上は600円。問い合わせは九州芸文館(0942ー52ー6435)へ。