福岡市動物園は12月2日、ミャンマーからのアジアゾウの受け入れについて、早ければ来年3月末にも雄と雌の計4頭が来園すると発表した。同国の不安定な治安情勢などの影響で当初の予定より遅れていた。同園がゾウを飼育するのは約6年半ぶりとなる。
ミャンマーから4頭
発表によると、受け入れが決まったのは14歳の雄1頭と、22歳と3歳の母子、12歳の雌3頭。現在は同市の姉妹都市・ヤンゴンのゾウキャンプと呼ばれる施設で暮らしており、現地の飼育担当者3人と共に来園する。
市動物園では2017年9月に雌の「はな子」が死んだ後、ゾウが不在になったため、市は19年に同国と4頭を受け入れることで合意。当初の計画では22年春の来園を予定していたが、新型コロナウイルス禍と21年に同国で発生した軍事クーデターなどの影響で難航していた。
今回の受け入れでは繁殖に取り組むことが条件で、同園ではこれまでで最多の4頭での飼育となるため、約20億円かけてゾウ舎の改修や新築を進め、従来の約3倍の広さの放し飼い場などを新たに整備した。来園直後からゾウ舎などでの様子を見られるようにするといい、園は4頭の名前を一般公募する。
高島宗一郎市長は2日の記者会見で「はな子が死んで寂しい状況が続いていた。来春からは群れで暮らす姿を見られるのを楽しみにしてほしい」と話した。