福岡市のリモート窓口が本格始動 公民館など13か所で

 福岡市は、区役所から離れた地域や離島の住民らを対象に、近くの公民館などで各種行政書類の申請手続きをサポートする「リモート窓口」を市内13か所に導入した。公民館と区役所を映像でつなぎ、区役所に行かなくても生活相談や申請書の記入法の説明を受けることができる。

区役所と公民館をつなぐ

 12月7日、リモート窓口が導入された南区の柏原公民館で、市職員が操作を実演した。公民館2階に設置されたタブレットの「利用開始」「相談開始」をそれぞれタップすると、区役所の職員と映像がつながり、互いの顔がパソコン画面に映し出された。


リモート窓口の使い方を実演する福岡市の職員。手元の書類が画面に表示され、見本と比べながら記入の説明を受ける

 公民館にいる職員が、申請書類を机上の所定の位置に置くと、書類が撮影される仕組み。この画像に基づき、区役所の職員が、記入が必要な部分を画面上にピンク色で示しながら、「私と同じようにチェックを入れてください」「この部分の記入は不要です」などと説明し、最後に顔写真が入った身分証明書のコピーを同封して区役所に送るよう促した。

 一連の手続きを確認した柏原校区自治協議会の安藤千津代会長は「役所に電話してもつながらないことも多く、バスの本数も少ない。公民館はよく訪れるところなので、とても便利になる」と喜んだ。

 福岡市は、行政手続きのデジタル化を進めており、住民票の写しや戸籍証明書、印鑑登録証明書などをコンビニの端末から取得することができる。また、就学援助の申請や転出届の提出など多くの手続きはオンラインで申請できる。

 一方、スマートフォンを持っていなかったり、操作に慣れていなかったりする高齢者も多く、「窓口で顔を見ながら相談したい」という声も寄せられたため、市はリモート窓口の実証実験を行い、12月14日までに全7区13か所の公民館や出張所に導入された。

申請手続きをサポート

 リモート窓口では、ネットでの手続きと同様に、生活保護の申請や転入届の提出など一部を除き、おおむね手続きすることができる。また、各種行政サービスに関する相談なども受け付けている。

 市サービスデザイン課の矢口健作課長は「デジタルとアナログの中間的な取り組みで、機器の操作が苦手な方でも安心して使うことができる。区役所の窓口と同じように気軽に利用してほしい」と話している。

 公民館での利用は平日午前10時~午後4時、出張所は平日午前9時~午後5時。公民館で利用する場合は予約受付センター(050-3099-0164)へ電話での予約が必要となる。


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