福岡県柳川市の私立杉森高を運営する学校法人の理事長に、美容・健康食品の製造販売会社「愛しとーと」(那珂川市)の代表取締役・岩本初恵さん(62)が就任した。1月17日に市役所で記者会見した岩本さんは「看護科や福祉科があり、老々介護や少子化社会で、地域に貢献できる生徒を育てたい」と抱負を語った。
高校再生に手腕を発揮
同校は1895年の創立で、食物、看護、福祉、普通の各科がある。少子化などの影響で生徒数が減っており、定員割れが続いている。老朽化で2023年春から体育館が使えず、校内食堂も閉鎖。現在は近くの市民体育館などを使い、体育の授業や部活動を続けている。
学校法人の理事会は、一代で「愛しとーと」を有名企業に育てた手腕で同校を再生してほしいと、同年12月、岩本さんに理事長就任を要請し、選任した。
記者会見で岩本さんは「将来を考えたら教育が一番必要。勉強を教えるだけでなく、精神面を強くするために、これまで会社で培ってきたことを役立てたい」と強調した。
体育館の建て替えについては、「体育館で体を動かすことは大事。生徒数を増やして利益を出せるようにして、早めに見積もりを見直し、自分の会社も含め寄付を募って3年後をめどに建て直したい」と話した。食堂についても「健康は食から。食物科もあるので、食堂づくりを進めたい」とした。
また、「SNSを活用してもっと学校をアピールしたり、留学生を積極的に受け入れたりして生徒を増やしたい」と述べた。