わたせさんの作品を常設展示　北九州市漫画ミュージアム

　北九州市小倉北区の市漫画ミュージアムで、名誉館長の漫画家・イラストレーターのわたせせいぞうさん(79)の軌跡を紹介する常設コーナーが新設された。高校卒業まで北九州で暮らしたわたせさんと街との関わりを振り返りながら、代表作のパネルなど約40点を展示している。

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　わたせさんは神戸市で生まれて間もなく、父親の故郷の小倉市（現・北九州市）に疎開した。小倉高から早稲田大に進学。卒業後はサラリーマン生活を送りながら漫画制作を始めた。

　1983年に連載を開始したラブストーリーで、代表作の一つになった「ハートカクテル」で人気を確立し、企業広告用のイラストなども多く手がけている。名誉館長には初代の漫画家・松本零士さんに続き、2022年4月に2代目として就任した。

代表作や幼少期の写真

　常設コーナーの開設は就任当初から構想があり、23年2月に死去した松本さんの追悼展示を終えたことから今年3月下旬に設けた。わたせさんの初の連載「おとこの詩（うた）」や色彩を追求した「菜（さい）」といった代表作のページの一部に加え、カレンダー用などに描いた四季のイラストも展示。幼少期の写真なども並べている。

　学芸員の石井茜さんは「作品は戦後の小倉に駐留米兵が持ち込んだカラーコミックの影響を受けている。小倉っ子のわたせさんを、より知ってもらいたい」と話している。

　入館料は一般480円、中高生240円、小学生120円。火曜休館。問い合わせは漫画ミュージアム(093-512-5077)へ。

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