子どもたちの話し相手となって悩みなどを聞く無料の電話相談窓口「チャイルドライン」の活動に参加しているNPO法人「チャイルドライン北九州」(北九州市)が、電話の受け手となるボランティアスタッフ養成講座を6月8日から始める。約20年活動している同法人は受け手の高齢化が課題となっており、「幅広い世代に協力してもらいたい」と受講を呼びかけている。
チャイルドライン北九州が6月8日から
チャイルドラインは、18歳以下の子どもを対象に、毎日午後4~9時にフリーダイヤル(0120-99-7777)で相談に応じる。活動には全国の約70団体が参加しており、同法人は週1回担当し、北九州市内の事務所で複数人が電話を受ける。隔週でチャットによる相談にも対応する。
同法人は2003年に任意団体として発足し、13年にNPO法人化した。発足時は大学生など若い世代もいたが、現在活動している受け手約20人は60~70歳代が中心。「高齢になり夜の運転が怖い」などという理由で活動に制限がかかる人もいるという。
同法人の河嶋静代理事長(北九州市立大名誉教授)は、家庭環境の悩みやいじめ、虐待をうかがわせるような深刻な相談が増えているとして、「『死にたい』とつらい気持ちを打ち明ける子どもが多くなっている。多様な悩みに対応していくためにはボランティアの力が必要」と話している。
養成講座は、8月3日まで計5回、午前10時半~午後4時10分に同市小倉南区の市立大で行う。電話対応のロールプレイをはじめ、思春期の特性や子どもの心のケアなどをテーマとする。研修は18歳以上が対象で、受講料は一般8000円、学生3000円。申し込み、問い合わせは同法人(080-5804-5622)へ。