通勤・通学時などに混雑が指摘されている福岡市南区の西鉄天神大牟田線・井尻駅踏切について、市は2024年度中に歩道を拡幅する工事に着手する方針を固めた。24年度中の完成を目指しており、市は「少しでも周辺の交通改善に寄与していきたい」としている。
歩行者が歩きやすく
井尻駅は周辺に都市高速や幹線道路が通り、南区の交通の要衝の一つ。23年度の1日平均の乗降客数は2万1533人で、天神大牟田線本線の50駅中5番目に多く、特に通勤・通学時間は往来が多くなっている。
市は住民の要望を受けて歩行者の混雑を解消するため、24年2月から歩道の拡幅について西日本鉄道側と協議を進め、9月に合意した。市が西鉄に委託して工事を行う予定で、踏切南側に進入防止用などで設置しているフェンスや地面のブロックを除去して歩道を広げ、歩行者が通行しやすいようにする。
井尻駅を巡っては、これまで地元住民が高架化を要望してきた。しかし、市は21年、試算では総事業費が300億円以上かかり、費用対効果について国の補助金を得るための基準を満たしていないなどと説明していた。
市交通計画課は高架化について「国と相談して、よい方策がないか引き続き模索していきたい」としている。