八女の伝統工芸「八女手漉(てす)き和紙」を使った切り絵作品展「切り絵のお庭」が、福岡県筑後市津島の九州芸文館で開かれている。
同県八女市福島地区の白壁通りの古民家でアトリエ「くろくも舎」を開いている松原真紀さんの作品約100点を展示。クジラやヒツジ、クラゲ、ツバメなどの動物や、色和紙を使ってカラフルに仕上げた花魁(おいらん)、着物姿で髪飾りを着けた女性といった作品のほか、立体的な衣類や地球儀といった精密な作品も並び、来場者を驚かせている。
松原さんは八女市出身。独学で上質紙を使った切り絵の技術を身につけた。八女和紙の若手職人と出会い、地元の和紙を使うようになり、2010年にアトリエを設けて制作活動を続けている。各地で展覧会を開いているほか、地元神社の切り絵御朱印デザインも手がけている。
松原さんは「和紙は難しい点もあるが、柔らかく温かい印象を与える。どの作品も1枚の和紙を切って仕上げており、会場でじっくり鑑賞してほしい」とアピールしている。
1月29日まで。開館は午前10時~午後5時。20、27日は休館。一般300円、15歳以下と65歳以上は無料。問い合わせは九州芸文館(0942-52-6435)へ。