福岡県古賀市は市内に在住・通学する高校生5人に、市長に助言などを行う「リバースメンター」を委嘱した。5人は専門家や市職員らとの意見交換などを経て、それぞれ独自に立案した政策を磨き上げ、9月に田辺一城市長に提言する。
独自の政策磨き 9月に提言
リバースメンターは、先輩が若手をサポートする「メンター」制度を逆転(リバース)させたもの。風通しの良い組織づくりを目指す民間企業などで広がっている。同市は若い世代の視点や発想を市政に生かそうと、昨年から高校生を対象に導入。提言で社会を動かす手応えを感じてもらうことで政治参画を促す、主権者教育の一環にも位置づけている。
5人のうち、福岡工業大付属城東高1年の松尾尚磨さん(16)は「家庭間の格差をなくしたい」として、全ての子どもが習い事の機会を得られる仕組み作りを提案。古賀竟成館高1年の木原康汰さん(15)は足を骨折し駅での移動に苦労した経験を踏まえ、「古賀駅にエスカレーターを新設し、足の不自由な人の移動を容易に」と提唱している。
高校生たちは、市から運営委託を受けた主権者教育を行う会社「笑下村塾」(東京)の講習を通じて、若者の声から実現した国内外の政策事例を学んだり、中央官僚らとオンラインで対談したりして、それぞれの政策の改善を図っているという。
高校生に委嘱した田辺市長は、「皆さんの提案を受け止め、実現するのが私たちの責任と思っている。一緒にいい社会を作っていこう」と語りかけた。高校生たちは同社を経営するユーチューバーのたかまつななさんらと意見交換した。
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