松崎住職に聞いてみた バズりから日本社会まで【前編】
記事 INDEX
- きっかけはお寺業界への危機感
- ツイートでは仏教をおとしめないように
- 僕はお見合いコーディネーター
ツイッターで数々の「バズり」を生み出す住職が北九州市にいます。北九州市八幡東区にある浄土真宗本願寺派「永明寺」の松崎智海住職です。どうしてそんなに攻めたツイートを続けるのでしょう。背景には、現代のお寺をめぐる危機感があるそうです。ツイッターではおちゃらけた印象のある松崎さんですが、会って話すと実直でまじめな人。松崎さんのインタビューを2回に分けてお届けします。
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松崎智海さん
永明寺住職。1975年生まれ。ツイッターアカウント「松崎智海(非売品僧侶)@浄土真宗本願寺派♪永明寺住職」はフォロワー数が約1万8400という仏教界のインフルエンサー。
ボヘミアン・ラプソディや吉本騒動も
――松崎さんのツイッターは話題になることが多いです。
ツイッターは2016年2月から始めました。最近だと、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリーのポーズをまねた投稿がバズりました。吉本興業の騒動が起きたとき、ダウンタウンの松本人志さんがツイッターに投稿した「松本 動きます。」は、アレンジして9.9万「いいね」をいただきました。
阿弥陀様の頼もしさよ
— 松崎智海(非売品僧侶)@浄土真宗本願寺派♪永明寺住職 (@matsuzakichikai) August 4, 2019
#お寺の掲示板大賞2019 pic.twitter.com/JD2gJHjBg6
――どうしてそこまで「攻めた」ツイートを連発するのですか。
お寺の発信力を高めたかったからです。僕は元高校教諭で、高校では入試広報を担当していました。中学校を訪れて、「受験してください」と頭を下げる営業です。でも、お寺はそういった広報活動をほとんどしてきませんでした。
どんなにすばらしい活動をしても、どんなにすばらしい教えがあっても、存在していることを世間に知らしめないと、情報があふれる現代社会では埋没します。昔々のメディアが存在していない時代、大きな伽藍があればそれだけでアピールできました。現代、マンションに囲まれたお寺の存在を誰も見つけてはくれません。巨大なお寺を建てられればいいですが、お金がありません。テレビCMを流せればいいですが、お金がありません。SNSは無料で使えます。そこに、目にとめてもらえる工夫をしています。お寺の広報活動です。
映画観にいってきた pic.twitter.com/hjSwNGU0Y8
— 松崎智海(非売品僧侶)@浄土真宗本願寺派♪永明寺住職 (@matsuzakichikai) November 24, 2018
デザインや動画も独学で習得
――デザイン系ソフトを駆使してますよね。
学校は貧乏です。お金がないので、広報資料も自分でつくるしかありません。なので自分でパンフレットやチラシをつくります。デザインや動画編集の技術は教諭時代に独学で学びました。
お釈迦様半端ないって! pic.twitter.com/mNX9dj6qp5
— 松崎智海(非売品僧侶)@浄土真宗本願寺派♪永明寺住職 (@matsuzakichikai) June 21, 2018
――発信のタイミングが絶妙ですよね。流行に乗っかって。
僕にはゼロから創る才能はありません。だから、人のものをまねるしかない。多くの人が振り向いてくれそうなことに、どうやって仏教の色をつけていくかを考えています。仏教の色をつけつつ、仏教をおとしめない工夫をしています。いじりそうになることはあるんですけどね。あ、いかんいかんと思います。
【平成30年 永明寺盆法要】
— 松崎智海(非売品僧侶)@浄土真宗本願寺派♪永明寺住職 (@matsuzakichikai) August 3, 2018
8月16日(木)13:30~
おつとめ→法話(住職)
どなたでもご参加いただけます。法要終了後納骨堂の片付け&フードドライブ仕分け作業がありますのでお手伝いいただけるとありがたいです。 pic.twitter.com/N4XgwuHTE4
――こういうのも見つけてしまいました……
先日 地域のお寺の忘年会で「来年の広報はぜひ松崎君に全て任せたいっ!」と言われた。「イヤイヤイヤそれはないでしょう」とグズると「大丈夫!邪魔はしないから、あなたの頭に浮かんだことを自由にしていいから」とも言われた。
— 松崎智海(非売品僧侶)@浄土真宗本願寺派♪永明寺住職 (@matsuzakichikai) December 19, 2018
その時、頭に浮かんでたのこれなんでやっぱり断ります。 pic.twitter.com/7oYoilLBIf
お釈迦様の誕生(4月8日)を祝う花まつりにおいて、右手で天、左手で地を指した誕生仏に甘茶などを頭頂から注ぐことを灌仏(かんぶつ)といいます。これはお釈迦様が誕生された際、天から甘露の雨が降り注いだという言い伝えによるものです。皆様も花まつりで灌仏しましょう。詳しくはお近くのお寺まで。 pic.twitter.com/gQRStyT8OP
— 松崎智海(非売品僧侶)@浄土真宗本願寺派♪永明寺住職 (@matsuzakichikai) March 24, 2019
まぁあの、僕のツイートを見て不快に思う人はいると思いますが、なるべくそういう人はいないように、かつ面白いようにしています。でも「ツイート面白いですね」とか言われちゃうと、面白い投稿を狙いたくなります。次もバズりたいと欲をかくと、だいたいスベります。僕にとっての芯は仏教。そこから離れすぎるとダメだし、近すぎても理解してもらえない。バランスを大事にしています。