「安くておいしい」を守り続けて半世紀 福岡市・箱崎の「やおきパン」

店の前に立つ飯田さん(左)と篠崎さん

記事 INDEX

  • 毎日300個、2人で切り盛り
  • ほとんどが100円以下!
  • 品質を保ち店を続けたい

 福岡市東区箱崎の住宅街にある細い路地で、昭和から50年以上続く小さなパン屋「やおきパン」が営業しています。商品の多くが1個100円以下という手頃さと、昔ながらの優しいおいしさが地元の人に愛されています。

毎日300個、2人で切り盛り

 やおきパンは1970年創業。当初は近くの別の店舗で営業していましたが、1995年に現在の場所に移りました。先代から店を引き継いだ篠崎一徳さん(64)が、義母の飯田ゆり子さん(81)とともに切り盛りしています。


店に並ぶパン

 ずっと変わらないモットーは「安くておいしいパンを提供する」こと。製造は篠崎さんの担当で、夕方から朝にかけ、売れ残りが出ないように300個ほどを作ります。朝を迎えると店番の飯田さんにバトンタッチし、夕方までにほぼ完売するそうです。


毎日パンを焼く篠崎さん


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ほとんどが100円以下!

 店内に並ぶのは、創業時から変わらない製法で作る約25種類。特に人気なのは、エクレヤ(50円)とシュークリーム(40円)で、しっとりとした皮と素朴なクリームの甘さがやみつきになります。一口サイズで食べやすく、おやつにもピッタリです。


名物のエクレヤ(左)とシュークリーム

 メロンパン(90円)もよく売れる商品の一つだそうです。クリームの入った「メロンクリーム」(100円)や「クリームチーズとブルーベリーのメロンパン」(120円)などバリエーションも豊富。このほかジャムパンやぶどうパン(いずれも90円)など、どこか懐かしさを感じるパンがそろっています。


クリームチーズとブルーベリーのメロンパン

 30年ほど通っているという近所の主婦(65)は「ポテトサラダが入ったパン『ミニサラダ』が好きです。ここのパンは素朴だけどおいしくて飽きません」と話します。

品質を保ち店を続けたい

 50年を超える歴史の中で、大型店の台頭や原材料費の高騰、九州大学のキャンパス移転など、店を取り巻く環境は変わっていきました。店を続けてこれた理由を「あまり深く考えることはないですね」と篠崎さんは言いますが、子どもの頃に通っていた客がふらりと顔を見せてくれるなど、地域の変わらぬ支持が店の力になっています。


愛される味を守る篠崎さんと飯田さん

 「お客さんがひいきにしてくれることはうれしい。品質を保って店を続けていきたいです」。愛されているパンの味のような"優しい"表情で、篠崎さんは言いました。

<やおきパン>
所在地/福岡市東区箱崎1-30-7
営業時間/5:00~19:00(売り切れ次第終了)※日曜定休
電話/092-641-5844



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