博多を訪れる旅人の守り神 宇宙服?をまとった巨大なネコ「ニャーピー」
街なかで思わず二度見してしまう巨大なネコ――。福岡市博多区店屋町にある宿泊施設「WeBase 博多」のエントランスホールから歩道に飛び出しているような巨大なネコのアート作品が「インスタ映えする」と注目されている。
宿泊施設になぜネコが? 「大航海時代から、ネコは人間とともに船に乗り、ネズミを捕食して疫病から守ってきました。『旅の守り神』として施設にふさわしいシンボルです」。総支配人の高木友子さん(45)が説明してくれた。
宇宙服をまとっているような高さ3メートルのネコは、「混迷する世界を航行する未来への希望」を込めて、現代美術作家のヤノベケンジさんが手がけた作品だという。
個室のほかにドミトリータイプの客室も備え、海外からの旅行客を見込んで2017年7月に営業を始めた「WeBase 博多」。宿泊客の約80%は外国人だったが、コロナ禍の拡大で海外からの宿泊客は一時ゼロに。国内の利用客も約70%落ち込んだそうだ。
コロナ禍はなお続いているものの、一時期に比べれば"日常"を取り戻している博多の街。施設は、博多祇園山笠の追い山笠(やま)を3年ぶりに迎える櫛田神社にも近い。
「韓国のお客さんが少し回復しつつあり、台湾などからも秋冬の予約が入ってきています」と高木さんは笑顔を見せた。
存在感抜群のネコの愛称は「ニャーピー」。地元の博多小学校に通う野球少年が公募に寄せ、選ばれた。施設は2018年度の福岡市都市景観賞を受けた。
今年5月の博多どんたく港まつりでは、宿泊していた女児が迷子に。「大きなネコがいるところ」と尋ねてまわり、近所の人に連れられて無事戻ってくることができたという。ニャーピーは"街の守り神"としても、地域に愛される存在になっている。