福岡県大野城市の生花店が、店先で花を無料配布しているという投稿をTwitterで目にしました。「部屋にいる期間が多い今、お花を飾って気持ちを盛り上げて頂ければと思います」と書いてあり、多くの人にシェアされています。この投稿者が勤めている生花店「花ゆり」に連絡してみると、新型コロナウイルスの影響によって花の業界全体が大変な苦境に立たされていることを知りました。
売れなければ廃棄…
花屋店頭にて
— 美涙(minami) (@ka78_ciel) April 7, 2020
お花をお配りしております。
コロナウィルスの影響で部屋にいる期間が多い今、お花を飾って気持ちを盛り上げて頂ければと思います。
㈲花ゆり
福岡県大野城市畑ヶ坂1-1-2
092-595-6526
シェアしていただければ嬉しいです!
近くを通る機会がございましたらお立ち寄りください♪ pic.twitter.com/452oL5hEXP
バレンタインや卒業式・入学式、施設のオープン祝いなど、2月から4月は花の出荷が最も伸びるシーズンです。しかし今年は、新型コロナウイルスの感染拡大でイベントが軒並み中止・延期となり、花き業界は大きなダメージを受けています。販売機会を失った花は廃棄され、生産者は先行き不透明感から秋の出荷に向けた準備ができない状態だといいます。
閉ざされた日常に潤い
花ゆりでは「生産者が続けられないと、私たち生花店も立ち行かなくなる」と考え、仕入れた花を不定期で店頭配布し、近隣の店舗などにも無料で配っています。そこには、花の癒しに触れた人たちの需要を呼び覚まし、生産者が安心して栽培できるようにしたい――との願いが込められています。
緊急事態宣言に伴う外出自粛で、子どもも大人も自宅で過ごす時間が長くなっています。そんな今だからこそ、部屋に飾られた花は、閉ざされた生活に潤いを与えてくれそうです。
気持ちを明るくしてくれる花の魅力を広めたい――。業界が困難に直面する中、小さな生花店が始めた試みは、花に携わる仲間たちへの"メッセージ"でもあると感じました。