記事 INDEX
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が延長され、外出を控える生活がまだまだ続きます。たまには自宅でおいしい食事を楽しんで、単調な毎日に変化をつけられたらと、腕利きの料理人による味をテイクアウトできる店を福岡市中央区で取材しました。
テーブルに豊かな彩り
ラ・カーサ・ディ・ナオ
福岡市中央区薬院にある「ラ・カーサ・ディ・ナオ」は、イタリアの日本大使館で総料理長も務めた石橋尚幸シェフが営むイタリアンレストランです。入り口に薪が積み上げられ、職人が石窯で焼くピッツァの香ばしいにおいが食欲を刺激します。
地元・福岡の食材をふんだんに用いたシェフの自信作はどれも彩り豊かで、美食家たちをうならせています。「もともとピッツァのテイクアウトは行っていましたが、お客さまからの要望をいただきグランドメニューの持ち帰りも始めました」と石橋さんは話します。
テイクアウトのメニューをみると、本格ピッツァのほかに、前菜の盛り合わせ、真鯛のグリル、黒毛和牛のローストビーフなど、自宅ではなかなか真似できないプロの料理が並んでいます。「本来なら温度も環境もベストな状態で料理を提供したい。出来立てが一番おいしいですから。けれど今はなかなか難しいので、テイクアウトで楽しんでもらえたら」と石橋さん。事前に電話で予約するとスムーズで、1万円以上の注文なら配達も可能とのことです。
店名 | ラ・カーサ・ディ・ナオ |
---|---|
所在地 | 福岡市中央区薬院4-8-6 |
電話番号 | 092-404-7030 |
営業時間 | 11:00~20:00 |
公式サイト | ラ・カーサ・ディ・ナオ |
肩ひじ張らずに伝統の味
シュエット
福岡市地下鉄七隈線・薬院大通駅から徒歩30秒。フランス料理の「シュエット」では、コースのメインディッシュを丼ものにしたテイクアウトが好評です。「伝統的なフランス料理をワンパックで提供できたら、食事も手軽になって面白いんじゃないかなと思いました」と話すのは、マネージャーの嶋田ヒロユキさん。厨房では父の泰之さんが腕を振るいます。
最近では、店内からInstagramのライブ配信を行い、反響を呼びました。「飲食店の"フード"と"サービス"を今は切り離す形で提供している状況。福岡は屋台文化が根付く街で、お客さんとの関係性を保つのはとても重要です」と、ヒロユキさんは狙いを説明します。
時には泰之さんと意見がぶつかることもあるようですが、「フレンチの本質を体現できる父の確かな腕があるからこそ、新たなことに挑戦できる」。飲食店に逆風が吹く中、体も心も元気になるレストランの在り方を探っています。
店名 | シュエット |
---|---|
所在地 | 福岡市中央区薬院2-4-39-1F |
電話番号 | 092-791-6823 |
公式サイト | シュエット |
愛され続ける福岡の中華
福新楼
1904年(明治37年)に創業した中華料理の老舗「福新楼」。一度油で焼いた麺を鶏ガラスープで柔らかく戻しながら丹念に炒める「博多皿うどん」が、福岡の人たちに愛され、店の代名詞にもなっています。
店内は臨時休業中で、一部メニューのみ持ち帰りや宅配に対応しています。一流の料理人たちを束ねる社長の張光陽さんは「店を完全に休むこともできますが、料理人は手を動かさないと技術が落ちる。働きたいと望むスタッフの声もある」と語ります。営業再開に向け、味のレベルを保ちながら従業員の雇用を守る日々が続きます。
100年以上の時を刻んできた老舗には、4世代にわたり通ってくれる家族もいます。張さんは、そんな人たちの名前をテイクアウトの注文票で見つけると、店で食事をしていたときの笑顔を思い出すそうで、店内で再会できる日を心待ちにしています。
店名 | 福新楼 |
---|---|
所在地 | 福岡市中央区今泉1-17-8 |
電話番号 | 0120-2946-01 |
公式サイト | 福新楼 |