ゆかりの小説を発信して嘉麻の神社を「聖地」に! 女神キャラもにぎわい創出を応援

北斗宮七星(左)と射手引彩雲のキャラクターデザイン ©ファンタジーエデン

記事 INDEX

  • 射手引神社と北斗宮
  • 御利益プロジェクト
  • 聖地をつくるモデルに

 福岡県嘉麻市の射手引(いでびき)神社と北斗宮を題材にしたファンタジー小説が、インターネットの投稿サイト「ピクシブ」で無料公開されています。福岡市の合同会社「ファンタジーエデン」代表の廣田康一さんが、両神社を小説ゆかりの「聖地」として売り出し、観光振興につなげようと企画。登場するキャラクターの博多人形など関連グッズの販売も計画しています。


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ご利益がありますように

 嘉麻市上山田にある射手引神社は、全国でも珍しい弓にまつわる神社です。その昔、神功(じんぐう)皇后が弓の名手の加勢を得て、住民を苦しめていた土蜘蛛(つちぐも)を討伐したとの言い伝えが残っています。嘉麻市大隈町の北斗宮は北斗七星にちなみ、江戸時代には福岡藩主・黒田家の信仰を集めました。


プロジェクトを紹介するファンタジーエデンのサイト画像


 小説のタイトルは「貴方にもご利益がありますように。」。古事記や日本書紀で描かれた神話の世界が舞台で、射手引彩雲(あやも)と北斗宮七星(ななせ)の2人の女神が登場します。女神のキャラクターデザインは、漫画家のいみぎむるさんが担当しました。


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神社を題材に小説を制作

 福岡市出身の廣田さんは、ウルトラマンシリーズで知られる「円谷プロダクション」で勤務し、ウルトラマンとコラボした福島県の地方創生プロジェクトなどを手がけました。その経験を地域活性化に生かしたいと、2018年に嘉麻市100%出資のまちづくり会社「嘉麻スタイル」に移り、現在は取締役を務めています。


全国的にも珍しい弓にまつわる逸話が残る射手引神社の本殿


射手引彩雲のキャラクターデザイン ©ファンタジーエデン


 観光振興策を考える中で射手引神社を訪れ、境内の荘厳な雰囲気に魅せられたそうです。そこで神社を題材にした小説を制作し、まちおこしを図る「御利益プロジェクト」を思い立ちました。嘉麻スタイルの事業として取り組むのは政教分離の観点から難しいため、2019年8月に自らファンタジーエデンを設立しました。


福岡藩主・黒田家の信仰を集め、「筑前十五社」の一つでもあった北斗宮


北斗宮七星のキャラクターデザイン ©ファンタジーエデン


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地域のにぎわいプロデュース


 ピクシブへの投稿は今年4月から始め、現在17話まで公開しています。博多人形師の協力で、射手引彩雲と北斗宮七星をモチーフにした博多人形も制作しました。今後は関連イベントの開催や、プロジェクトに参加する神社を募って新たなキャラクターを制作し、小説に登場させることなどを計画しているそうです。


キャラクターの女神をモチーフにした博多人形を手にする廣田さん

 廣田さんは「今回のプロジェクトを地域の住民や行政が自分たちで『聖地』をつくり上げていくモデルケースにしたい」と話しています。


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