「革新しきれない人類」へ贈る 機動戦士ガンダム・富野由悠季 2000字インタビュー

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記事 INDEX

  • 映画は堕落した
  • 理想を掲げないと……
  • テーマは「確信しきれない人類」

富野由悠季(とみの・よしゆき)さん

1941年、神奈川県小田原市出身。本名は喜幸。日大芸術学部卒。1964年に虫プロに入社し、アニメ版の鉄腕アトムの演出や脚本を手掛けた。独立後、様々な作品の演出や絵コンテなどを担当し、「機動戦士ガンダム」(1979~80年)の総監督として一躍脚光を浴びた。ほかに「伝説巨神イデオン」(80~81年)、「ブレンパワード」(98年)など。劇場版の「ガンダム Gのレコンギスタ」の公開を控えている。

 「機動戦士ガンダム」シリーズで知られるアニメーション監督・富野由悠季さんの半世紀以上にわたる業績を、絵コンテや原画などの資料で検証する展覧会「富野由悠季の世界」が福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園)で開かれています。SF的な未来志向とリアリズムで、独自の世界観や物語を創造し、ファンを熱狂させてきた巨匠に、作品に込めたメッセージを語ってもらいました。

絵コンテは「素材」、展示に「本気かよ!?」


--展示資料をファンが食い入るように見ていました

 本当ですか!? 正直、絵コンテを展示するなんて「本気かよ!?」という思いしかなかったです。まさかこういう形で美術館に整えられるとは想像できなかった。そうは言いながらも作品は自分一人で作ったものではないので、(キャラクターデザインの安彦良和、メカニカルの大河原邦男両氏の)セル画や原画、ポスター画などで空間を埋められることができ、正直ホッとしました。

--絵コンテに美術性や芸術性を意識したことはありましたか

 あるわけがないです! どんなにきれいに描いてもコンテはコンテ。その後の作業が厳然としてあります。素材でしかないものを美術館に展示するなんて異議申し立てがなきにしもあらずです。ただ逆の言い方もできます。作品の作業プロセスを知る、知りたい、そのための意味性はあるんじゃないのかと。それを理解したい人たちにとっては、コンテを展示する意味は僕はあると思う。



--富野監督が目指してきたコンテ、良いコンテとは

 口で言うのは簡単だけど、理解することは絶対的に不可能です。いいコンテは映画になるプランニングが示されていること。それだけです! コマ漫画ではないんです。業界にいてもコンテを理解していないスタッフはかなりいます。


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