味も形もどんどん進化 斬新アイデアで個性を放つ「新感覚おはぎ」
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記事 INDEX
- はぎトッツォの衝撃
- 各地に多彩な顔ぶれ
- お祝い用のケーキも
20日からお彼岸。お供え物の定番「おはぎ」は、子どもからお年寄りまで大人気の和菓子だ。あんこやきな粉の素朴な味わいが魅力だが、近年は味や形が進化している。
はぎトッツォの衝撃
福岡市南区のスーパー「ダイキョーバリュー弥永店」が昨年8月に創作した「はぎトッツォ」は、おはぎにたっぷりの生クリームを挟んだ斬新なスイーツだ。
店長の浦田一延さん(49)によると、店では当時、パンにクリームを挟むイタリアの菓子「マリトッツォ」を販売中だった。お盆向けの新商品を考えていた総菜部門の担当者が、「マリトッツォのパンをおはぎに替えてみては」と発案したという。
販売を始めると、SNSなどで「衝撃的」「罪深い組み合わせ」と話題となり、開店前に行列ができたこともあった。当初は2か月程度の販売予定だったが人気は衰えず、昨年12月、スーパーの前に常設のはぎトッツォ専門店「米とあん おこめのおめかし」をオープンした。
現在は定番3種(クリーム、八女抹茶、きなこ)と、期間限定3種(チョコバナナ、ラムレーズンなど)の6種(378~518円)を販売し、月1万個ほど売れている。3回目の来店という同区の会社員女性(31)は「今までになかった味。食べ応えがあります」と満足そう。浦田さんは「スタッフのチャレンジ精神が生んだヒット商品です」と胸を張る。
各地に多彩な顔ぶれ
北九州市小倉南区の「菓匠きくたろう。」は、彩色した白あんを絞り出すなどして花を表現したカラフルなおはぎを制作している。桃色のバラを模した「フランボワーズ」、大輪の菊のような「緑茶」、モンブランそっくりの「栗」など常時8~9種類が並び、季節に応じて種類を入れ替える。1個120~150円。そばに姉妹店の洋菓子店があり、パティシエからデコレーションなどの技術を教わって和菓子に取り入れているという。
同市八幡西区のアイスクリーム店「氷菓子屋 KOMARU」では、アイスのおはぎを販売している。店でも人気のアーモンド風味のチーズケーキ味のアイスを、求肥(ぎゅうひ)と塩あんこで包んだ。1個300円。
福岡市中央区の「御菓子 TUGI」はおはぎ5種類を販売しており、中でもあんをラム酒で炊いた「ラム」と、自家製のしょうが蜜で米を炊いた「しょうが」は大人好みの味で好評という。1個200~220円。
福岡県福津市の「なちゅらる まんぷくや」は、無農薬栽培された古代米「緑米」の玄米を使用。種類豊富で定番のほかに「ピーナッツバターあん」「抹茶あん」「ほうじ茶ミルク」など計8種類(220~250円)をそろえ、冷やして食べる生クリームおはぎもある。
お祝い用のケーキも
八女市の「餅・まんじゅう 中村屋」は、おはぎを使った「おはぎケーキ」を注文に応じて制作している。
店主の中村正さん(53)によると、15年ほど前に「あんこが大好き」という男の子の誕生日ケーキとして作ったのが始まりだ。鏡餅のような2段重ね構造で、1個当たりの重量は1.8キロ、通常のおはぎの約30倍という。1個2600円。
プレート(別途注文が必要)を付けることもでき、誕生日や還暦祝い、敬老の催しなどでの注文が多いそうだ。中村さんは「生クリームやバターが苦手な人などのために買われるようです。意外と若い人も多いですよ」と話していた。
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