「発酵食」の力で夏を乗り切ろう!体調を整えて暑さに備えを

様々な味わい方ができる発酵食

記事 INDEX

  • 家で作ってみよう
  • 若い人も味わって
  • 郷土料理ぬかだき

 腸内環境を整えて免疫力を高めると期待されている発酵食。様々な組み合わせや地域の食材を楽しむこともできる。日常にうまく取り入れて、暑い夏を乗り切りたい。

家で作ってみよう

 福岡県福津市の栄養士で「お米パン・発酵料理研究家」として活動する山本知美さん(55)に、砂糖を使わない「発酵あんこ」を作ってもらった。


発酵あんこを使ったアレンジレシピを説明する山本さん


 こうじの酵素が、小豆のでんぷんを分解することで甘味が出るそうだ。食物繊維やポリフェノールが豊富で、糖質を控えられて血糖値の急な上昇を抑えられるという。

 発酵あんこに牛乳と練乳を混ぜて凍らせたシャーベットは、さっぱりとした甘さ。山本さんは、料理教室で教えている、生米から作る「お米パン」に挟む食べ方も薦める。


お米パンに発酵あんこを挟んだバターサンド

 コロナ禍で健康志向の高まりと「おうち時間」の増加から、発酵食に注目が集まったという。山本さんが心掛けているのは、家庭でも気軽に作れるレシピ。「発酵食は、体を内側から元気にしてくれる」と笑顔を見せる。

山本さんによる発酵あんこの作り方


【材料】
小豆100グラム、米こうじ(生)100グラム、水400ミリ・リットル、塩少々

【作り方】

①圧力鍋に渋切りした小豆と水を入れて強火にかける。沸騰したら弱火で15分ほど。小豆が指で潰れる程度に煮る。
ザルでこして70度くらいまで冷まし、米こうじと煮汁100ミリ・リットルを加えて混ぜる。
内部を温めておいたスープジャーに、55~60度のを入れて蓋を閉め、5時間。鍋に移して再度60度まで上げ、スープジャーで5~6時間おく。
甘味が出ていたら完成。お好みで塩を足す。


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若い人も味わって

オリジナルみそ!

 地域の食材を使ったオリジナルのみそを作っている福岡県嘉麻市の「しあわせ味噌(みそ)カフェ Ladybug(レディバグ)」。幼い頃から祖母の手作りみそが大好きで、自身も趣味で作っていたオーナーの久保美和さん(50)が脱サラし、2021年に開業した。市販よりこうじの量を多く、塩分を少なめに配合し、ほんのり甘いという。


様々なオリジナルみそを作る久保さん


 「つけだれ味噌」(150グラム、600円)をベースに、季節の野菜や果物を加えた様々な商品を企画。夏頃まで販売予定の「バジル味噌」(同、1500円)はパスタに使え、トマトやチーズにあえてもいい。


トマトなどにあえた「バジル味噌」(左)と「つけだれ味噌」

 同市の物産館「カッホー馬古屏(まごへい)」や飯塚市の商業施設「カホテラス」などで販売。「若者にも興味を持ってもらえるよう、色んな使い方を提案していきたい」と意気込む。

韓国の味を福岡で

  韓国で人気という、もったりした食感の「グリークヨーグルト」を味わえる「YonaYonaヨーグルト」(福岡市中央区舞鶴)。ヨーグルトを数日かけて水切りして作る。


グリークヨーグルトは、桃やパイナップルなど季節の果物とも一緒に味わえる


 元々ヨガのインストラクターだった店主の中野美希さん(29)が韓国旅行の際に食べて魅了され、日本でも広めたいと4月に開店。高たんぱくで低カロリーなうえ、腹持ちもいいと、若い女性を中心に人気を集めている。

 S(680円)とM(780円)があり、季節の果物や巣蜜、ナッツなどをトッピング(50~400円)できる。平日は50食、土日祝日は80食限定。

郷土料理ぬかだき

 青魚をぬかみそで煮込んだ「ぬかだき」は、北部九州で江戸時代から伝わるとされる郷土料理だ。宗像漁協大島支所(福岡県宗像市)は、大島沖で取れた天然サバを使った「ぬかだき」を23年から生産している。


大島近海で取れた天然サバを使ったぬかだき

 沖ノ島が世界遺産登録されて観光客が増える中、常温保存の土産物をと開発。子どもでも食べられるよう甘めに味付けした。税込み780円で、「道の駅むなかた」などで購入できる。


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