新しい「手帳」で新しい年へ 目標や日々の記録を書き記そう
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記事 INDEX
- 夢や願い、思い出を残して
- 5年間、1日1行書き込める
- 福岡をもっと知りたい人に
新年に向けたこの時期に買い替える人が多い紙の手帳。予定の管理にとどまらず、「なりたい自分」を書いたり、日々の暮らしを記録する「ライフログ」として記入したりする使い方が広がっている。
夢や願い、思い出を残して
12月中旬、福岡市・天神の積文館書店新天町本店には、通常の手帳に加え、「幸せをかなえる」「お金をためる」「占い」といった、様々なテーマの手帳が並んでいた。
「幸せをかなえる」手帳をめくると、「やりたいこと・やめたいことリスト」「夢を達成するためにすること」といった項目を記入するページがあった。
店長の真鍋真理さん(51)は「普通の手帳では飽き足らない人が手にとっています」と話す。スマートフォンでスケジュール管理をする人が増えているにもかかわらず、売り上げは堅調。例年、11月から年が明けた1月末までに買う人が多いそうだ。
福岡市・博多駅にあるハンズ博多店では、ライフログなどに適した「カジュアル手帳」が並ぶ。やることを箇条書きにしたり、天気や体調を記入したりする欄があるタイプが多い。白紙ページが多めに設けられたものも人気で、その日に食べたものを絵で描き残して楽しむ人もいるという。
ダイアリー担当の前池響さん(30)は「手書き手帳は、1日を振り返ったり自分に向き合ったりする人にニーズがある。生活の質を高めるための『お助けツール』と言えそうです」と紹介する。
5年間、1日1行書き込める
福岡市博多区の「不二精機」は、5年間使える「5年手帳」を販売している。
コンビニ向けおにぎりなどの食品製造機械メーカー。手帳とは関係なさそうだが、当時社長だった青木稔顧問の「いい機械を開発してよりよいものにしていくには、1年では足りない。長い期間が書き込める手帳が必要」との発案で2003年に作った。
社内向けだったが、一部を顧客にも配布。当時は類似の手帳がほとんどなかったこともあり、長期にスケジュール管理ができると評判は上々で、08年から毎年発行するようになった。
①5年間②1日1行③パスポートサイズ――は一貫して変えていない。販売中の25年版は4色の表紙付きで、その日の気分で取り換えて使える。数量限定で花柄・和柄セットも用意した。
担当する総務部総務室主任の大内田侑翼(ゆうすけ)さん(37)は「いろんなことにチャレンジできる会社なのだという、シンボル的な商品です」と語る。税込み2200円。
福岡をもっと知りたい人に
県民向けの暮らしやビジネス情報が掲載された「福岡県民手帳」。統計の普及を目的に、1973年版から毎年発行されてきた。
大分など販売を終了した県もあるなか、福岡ではより魅力のあるものにしようと2025年版から民間事業者に製作や販売を依頼。デザインを一新し、60市町村のおすすめ情報や施設利用特典などを新たに掲載した。
表紙は「博多織」「ウグイス&梅の花」のリバーシブル。税込み990円。
デジタルにない紙の魅力
スケジュール管理を目的にしない手帳を開発・販売する福岡県糸島市の「feppiness」が9月、インターネットで行った調査(回答者666人)では、利用している手帳の種類は、紙のみが51.4%、デジタルとの併用が36.1%、デジタルのみが12.5%で、8割が紙を使っていた。
紙の手帳を使う理由について、4割が「振り返りしやすい」「手書きなので記憶に残りやすい」と回答。同社の担当者は「紙の手帳には、スマホの通知から離れて自分に向き合える、その時の感情が書く字に表れる、といった魅力がある」と分析している。
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