2024年1月4日に開庁する糸島市役所の新庁舎が報道向けに公開された。新庁舎は「まちづくりを創造する」を基本理念に、市有林のスギを活用するなどしており、12月23日には一般向けの内覧会も開かれる。
鉄筋コンクリート造の6階建て(最上階は機械室のみ)で、震度6強の揺れにも耐えられる免震構造と、省エネに配慮した設計となっている。1階のカウンターやソファなどには市有林のスギを利用。利用者用のいすなどには建設地にあった丸田公園の広葉樹も活用した。
新庁舎には、旧前原町役場だった本館など5棟に分散している38課が全て移転。本館などは解体後に駐車場として整備する予定で、解体費を含む総事業費は約64億9000万円を見込んでいる。
野見山暁治さんの作品も
また、新庁舎開庁にあわせ、今年6月に102歳で亡くなった飯塚市出身の画家・野見山暁治(ぎょうじ)さんの作品が、野見山暁治財団から糸島市に寄贈された。野見山さんは生前、糸島市志摩船越のアトリエで1年の3分の1を過ごし、亡くなった6月22日の3日前には、市に住民票を移していた。
寄贈されたのは、2020年制作の油絵「みんなウソ」(幅162.0センチ、高さ130.3センチ)。燃え上がるような赤を基調とした作品で、アトリエで描かれたという。12月18日、月形祐二市長も出席して贈呈式が開かれ、財団の山口千里事務長は「先生は糸島の海が大好きだった。若い人たちで活況を呈している糸島を、文化の面でも導いていければいい」と話した。
作品は同23日の新庁舎内覧会で披露され、2024年1月23日~2月25日には伊都郷土美術館でも展示。その後、新庁舎応接室に飾られるという。