豚骨ラーメンの白濁スープの誕生秘話を描いた映画「すうぷ」が完成し、ロケ地となった福岡県久留米市で先行上映と出演者のトークショーが行われた。2月23日から福岡市博多区中洲の大洋映画劇場で公開が始まり、順次、全国で上映される。
豚骨ラーメンは、1937年創業の久留米市のラーメン店「南京千両」が考案したとされる。元々は透明なスープだったが、同店ゆかりの別の屋台で仕込み中に豚骨を煮込みすぎ、偶然、白く濁ったスープが誕生したという。
店主役は陣内孝則さん
映画では、頑固でけんかっ早いラーメン屋台の店主を陣内孝則さん、常連客で、失敗を乗り越えて仕事をやり遂げる万年筆会社の営業社員を高橋佳成さんが演じる。白濁スープがどのようにして生まれたのかを笑いと涙を交えて描き、筑後弁や博多弁が飛び交う地域色豊かな作品となっている。
監督は福岡市出身の山口寛明さん。久留米市出身で「くるめふるさと大使」を務める音楽プロデューサー・松隈ケンタさんをはじめ、HKT48の豊永阿紀さんや向野章太郎さんら福岡ゆかりの人たちが出演し、ロケも久留米、福岡両市で行われた。
2月12日に久留米座であった先行上映には、市民ら約300人が参加。トークショーで山口監督は「『失敗を恐れるな』という気持ちと、昭和の不器用な男たちが頑張る姿を見てほしかった」と語った。
陣内さんは「福岡発の映画で、俳優もスタッフも地元の人が集まっており、思いっきりやらせてもらった」と撮影を振り返った。高橋さんは「撮影現場でもおなかが減って、ラーメンが食べたくなった。この映画を(自身の)代表作として売り出していけるよう精進し、一緒に成長していけたらと思う」と話した。
終了後、報道陣の取材に応じた陣内さんは、上京した当時、東京にはまだ豚骨ラーメンの店が少なかったとの思い出を語り、「今は世界的な人気を博すまでになったラーメンにフォーカスした面白い映画。福岡出身の人材が活躍しているので、温かく見守ってほしい」とPRした。