福岡県の大牟田市動物園を舞台にした映画「いのちスケッチ」(2019年公開)を手がけた瀬木直貴監督が、同市でのロケ第2弾となる映画「オオムタアツシの青春」を制作する。来年秋の全国公開予定。作品に出演できる地域キャストの公開オーディションを4月27~29日に大牟田文化会館で開く。
第2弾で「完全燃焼を」
瀬木監督は、地方での映画づくりに熱心で、これまでに日本酒で知られる広島県・西条や、唐揚げ専門店発祥の地の大分県宇佐市で映画を制作している。
いのちスケッチでは、動物福祉に力を入れる大牟田市動物園を舞台に、漫画家を目指して上京したものの、挫折して地元に戻った若者が、動物園のアルバイトとして働く中で前を向く姿を描いた。
上映期間終盤と新型コロナウイルスの感染拡大が重なり、ロケ地巡りなど地元への波及効果が十分に生み出せなかったことから、「新たな作品で地元に還元できるような効果を出し、完全燃焼したい」と、第2弾の制作に挑むことにしたという。
作品は、挫折を味わい、人生を諦めかけた3人の男女が難病の少女と出会い、勇気づけられながらそれぞれの人生をやり直すストーリー。大牟田は洋菓子店の数が多く、映画では主人公の一人が洋菓子店開業を目指すなど、地元グルメがふんだんに登場する内容になる。
「街の盛り上がりに期待」
いのちスケッチで動物園職員を演じた同市出身の女優・林田麻里さんが出演する。少女の役は公開オーディションで決める予定。
瀬木監督と林田さんは3月上旬、市役所を訪れ、関好孝市長にロケへの協力を求めた。瀬木監督は「映画を通して新たな洋菓子を商品開発したり、実在する焼き鳥店やお好み焼き店などに登場してもらったりして、大牟田に人を呼び込めるものにしたい」と意気込みを語った。関市長は「物語を聞くだけで、もうワクワクしている。この映画で街が熱く盛り上がることを期待したい」と話した。
3月26日には、市や商工会議所などが中心となって「応援する会」を結成。公開オーディションの支援やロケ地の調整、情報発信などで協力していく。
公開オーディションは、各日午前9時~午後6時。映画のチラシ裏面の応募用紙に希望日や応募動機などを記入し、オーディション事務局に郵送かファクス(03ー6273ー7214)で申し込む。締め切りは4月14日(消印有効)。6月にメインキャストと地域キャストが発表され、7月から撮影に入る予定。問い合わせは事務局(03ー5577ー4502)へ。