福岡県みやま市が主なロケ地となった長編映画「シ・ン・ラ・イ」が今年秋頃から順次、全国公開される。同市で制作発表の記者会見が開かれ、監督や出演者らが映画への思いを語った。
制作するのは、俳優から2013年に短編映画「まわりみち」で監督デビューを果たした亜崎敬司監督の映画制作集団「TEAM AZAKI」。亜崎監督はこれまで福岡県柳川市など九州を舞台にした長編映画を2本撮っており、今回が第3弾となる。制作費は、みやま、柳川両市の企業や観光団体などからの寄付に加え、クラウドファンディングで協力を呼びかけて集めた。
作品では、携帯電話の普及などデジタル化が進む現代社会で、東京とみやま市に住む3世代の男女が互いのパートナーの大切さに気づかされる姿をオムニバス形式(1章~3章)で描く。
出演は、川野太郎さん、藤吉久美子さん、黒谷友香さんら俳優陣のほか、元福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩さんが映画に初挑戦する。地元住民らもエキストラで参加する。撮影は3月10日に東京で始まり、同26日からみやま市の酒蔵などで行われた。
8月末にみやま市で上映会
同市瀬高町の「みやまカフェSPON(スポン)」で4月1日に行われた制作発表の記者会見では、福岡県久留米市大善寺町出身の藤吉さんが「久留米の実家はもうないけど、この映画でみやま市に実家ができた感じです」と地元での撮影を喜んだ。
8月末にみやま市総合市民センターで上映会が開かれ、その後、九州、東京、大阪で順次、公開される。亜崎監督は「みやま市には、東京から見て古里の風景がある。残る歴史、消える歴史がある街で、その映像を楽しんでほしい」と話している。