現地保存を11団体が北九州市に要望 初代門司駅の遺構

 北九州市門司区のJR門司港駅付近で出土した初代門司駅(1891年開業)の関連遺構について、11の学術団体の代表者らが5月21日、同市役所を訪れ、遺構の現地保存を求める合同要望書を市に提出した。

 11団体は、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」の国内委員会、都市史学会、産業遺産学会など。要望書では、遺構を現地で全面保存し、市が実施予定の追加発掘調査を史跡指定を目指した学術調査に切り替えるべく、文化庁などと協議することなどを求めている。


合同要望書を市の担当者に手渡す中野会長(左)


 提出後の記者会見で、都市史学会の中野隆生会長は「遺跡の価値を見いだすために話し合う機会をもらえれば、違う見解が開けると期待している」と語った。


 遺構を巡り、市は7月から追加の発掘調査と記録保存を行った上で、今年度中に現地で複合公共施設の整備に着手する方針を示している。


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