元寇(げんこう)の武勲を顕彰するため、東公園(福岡市博多区)に設けられた亀山上皇(1249~1305年)の銅像建設に尽力した湯地丈雄(ゆじたけお)(1847~1913年)を紹介する漫画本が刊行された。タイトルは「武士(もののふ)たちの碑(いしぶみ)~日本最大の国難・元寇~」。亀山上皇は元寇の際、国の安全を祈願したとされる。
湯地は元福岡警察署長で、1888年に元寇の碑を建設する発起人会を結成した。各地で元寇に関する講演活動を行って国防の必要性を説き、浄財を募って1904年の銅像完成に尽力した。
福岡県出身の渋田武春さんが作画を手がけ、湯地の顕彰会代表を務めた牟田敏雄さん(故人)が資料を提供した。湯地が福岡で行った講演を入り口に、蒙古襲来と迎え撃った武士の様子などを描いた。
企画した九州歴史観光戦略研究所(福岡市)の井上政典代表は「世界情勢が混沌(こんとん)とする中、国防の大切さを訴え続けた姿は現在にも通じる。郷土を知り、誇りを持つきっかけになれば」と話した。
B5判146ページで定価1500円(税別)。問い合わせは発行元の集広舎(092-271-3767)へ。
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