うるち米のみに戻るかしわめし(大)の掛け紙。「創業の味に立ち返る」との決意を記している(東筑軒提供)
北九州市八幡西区の「東筑軒」は11月27日、JR折尾駅などで販売する名物駅弁「かしわめし」について、米価急騰の影響で3月に大麦入りとしたご飯を、12月1日からうるち米のみに戻すと発表した。同社は「100年余り続く味を守るため、原点に立ち返る」としている。
12月からうるち米のみに 価格据え置き
かしわめしは、鶏の肉とガラでとったスープに門外不出の調味料を足して炊いたご飯に、鶏肉や錦糸卵、刻みのりをあしらっている。1921年(大正10年)の創業以来の人気商品で、県北部を中心に年間約40万食を販売。折尾駅では立ち売りを続けている。
食材や包装資材などの価格高騰でかしわめしの「大」は2021年から小刻みに値上げし、昨年9月に970円となった。さらに米価の急騰を受け、1000円を超えない方法を模索し、米より安い大麦を1割ブレンドして販売していた。
東筑軒は10月1日、経営不振を理由に不動産業の大迫ホールディングス(福岡市)に全事業を譲渡した。東筑軒の広報担当者によると、11月1日付で新社長に就任した山内裕太氏が、売り上げの減少傾向が変わらず、消費者から「元の内容に戻してほしい」との声が寄せられていたことなどから決断した。原材料の価格交渉を重ね、かしわめしの価格は据え置くという。
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