新型コロナウイルス禍で入学式がなかった福岡県志免町の町立志免西小の6年生約190人が、自分たちの「令和2年度 第147回入学式」を、保護者を招いて同小体育館で開いた。
6年前の4月、同小では感染防止のため新入生それぞれが決められた時間に保護者と登校し、担任と対面する機会を設けて、入学式に代えていた。6年生たちは卒業を約半年後に控えた昨秋、保護者に感謝を伝える場として6年ぶりの入学式の開催を発案。教職員の協力を得て準備を始めた。
費用は手作り品販売で捻出
開催費用を捻出するため、自分たちで地元の企業や商店に出資を募って模擬会社を設立。企業や保護者から材料を提供してもらってペン立てやスマホスタンドといった木工品、布製のティッシュカバーなどを手作りし、地元商工会のイベントや近くの大型商業施設で販売した。
この過程で6年生たちは、地域の銀行支店長や隣町にある宇美商業高の生徒から話を聞き、会社経営や販売のノウハウを学んだ。商業施設では大きな声で来客にアピールするなどの経験も重ね、担任の中野時広教諭(29)は「主体的に動くようになった」と成長を見守った。最終的に約80万円を売り上げ、会場の飾り付けや、保護者に贈るアートフラワーの購入などに充てた。
式が開かれた2月13日、1年生当時の校長や担任が訪れて祝辞を述べ、来られなかった担任はビデオメッセージを寄せた。保護者にも「6年間のいろんなことを思い出した」「感動した」などと好評で、涙ぐむ保護者もいた。
模擬会社の「社長」として準備に奔走した藤田恭介君(12)は「(式を)やってよかった」と笑顔で話していた。
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