小倉城の隣・勝山公園(北九州市小倉北区)に出現した特設の芝居小屋で、「平成中村座小倉城公演」を堪能してきました。今回初めて見て大好きになった演目は、昼の部の「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」です。 会場には昔の長屋を思わせる店がずらりと並び、江戸時代にタイムトリップした感覚で小倉の秋を楽しんできました。 初めて見た「神霊矢口渡」に夢中 「神霊矢口渡」で筋を引っ張るのは、中村七之助演じるお舟。お舟が住む渡し守(渡し舟の船頭)の家に、新田義峯と恋仲のうてながやってきて、一夜の宿を借りるところから話は始まります。新田義峯とは、南北朝時代の武将・新田義興の弟。この物語は古典の「太平記」を題材としています。 二人が訪れたとき、父・頓兵衛は留守。お舟は返事を渋りますが玄関の戸を開けて、びっ...