官営八幡製鉄所の創業を起源とし、北九州市八幡東区で11月9、10日に開催される恒例の秋祭り「まつり起業祭八幡」で、物価高騰の影響により花火の打ち上げが困難な状況に陥っている。地元の商店街や企業などでつくる実行委員会は、市民などに花火実施の協力を呼びかけようと、6月下旬からクラウドファンディング(CF)の募集を始めた。
物価高で継続が困難に
祭りは、1901年11月の官営八幡製鉄所の作業開始式を記念して始まった。85年以降は市民の祭りとして催され、2023年は2日間で約53万人が訪れた。例年の祭りの開催費用は4000万円弱で、企業の協賛金などで賄っているが、今年は物価や人件費の高騰で、花火を打ち上げる費用が賄えなくなり、CFを活用することにしたという。
CFサイト「キャンプファイヤー」で個人は1口1000円、企業や団体は5口5000円から受け付ける。募集期間は8月9日までの予定で、目標金額は250万円。祭りのホームページに寄付した人の名前を載せ、企業などはバナーを掲載する。
目標額に届かなかった場合は花火の実施を見送る方針で、実行委事務局は「祭りが始まった当初から行われている伝統ある花火であり、継続できるように協力してほしい」としている。
遠賀町夏まつりでも
福岡県遠賀町は、4月で町制施行60周年を迎えたことを記念し、8月に開かれる恒例の夏まつりで打ち上げる花火を例年より1000発増やそうと、ふるさと納税を使ったCFで資金を募っている。
まつりは1984年、町制施行20周年を記念して開催し、今年で38回目。会場は遠賀総合運動公園で、大迫力の音と振動が体感できると評判といい、昨年も約3000発を打ち上げた。
今回は8月24日を予定。花火は3000発に60周年にあやかって60発を加えた3060発分の予算を確保した。さらに4000発に増やすため、その費用の一部として100万円を目標に、7月1日から仲介サイト「ふるさとチョイス」で募集を始めた。
募集期間は8月19日まで。町の担当者は「町をさらに発展させ、明るい未来へつなげるため、町民の思い出に残るようなまつりにしたい」と協力を呼びかけている。