気分は管制官!? 福岡空港近くにある大野城市の「飛行機公園」

仲畑中央公園にある管制塔にそっくりな展望台のそばを飛行機が通り過ぎる
記事 INDEX
- 高さ12メートルの展望台
- 「自分の街が一望できる」
- "ホンモノ"にも新空間!
大きな飛行機が轟音(ごうおん)を響かせながら、本物そっくりの管制塔の上空を通り過ぎていく――。福岡空港を離着陸する巨体を間近に感じられる公園が、飛行機好きの心をくすぐるスポットとして注目されている。
高さ12メートルの展望台
地元では「飛行機公園」とも呼ばれる福岡県大野城市の仲畑中央公園。空港をイメージした個性ある憩いの場には、管制塔を模した展望台や、飛行機の形をした遊具などがある。
福岡空港では今春、2本目の滑走路の供用が始まり、国際線ターミナルビルの増改築も完了した。これに先立ち、羽田空港に次いで国内2番目の高さとなる新しい管制塔も稼働した。その2キロほど南に位置する仲畑中央公園は1977年に整備され、長く地元で親しまれている。
公園のシンボルとなっている高さ12メートルの展望台。きっかけは、20年ほど前に開かれたワークショップでの地元の人たちの声だった。せっかく航空機の進路の真下にあるのだから、管制塔をイメージした大型遊具を設置したらどうだろう――。この提案が共感を呼んで2008年、空港の施設を模した遊具が誕生した。
展望台の階段を上りきると、ビルの4階ほどの高さに。東に目を向けると宝満山、南には耳納山系の稜線、西には脊振山系の緑が見渡せる。帰宅途中の中学生がバレーボールを楽しんでいる姿を眺めていると、涼しい風が吹き抜けた。
「自分の街が一望できる」
公園で一番人気の遊具は、"管制塔"からスタートするローラー滑り台だ。塔の周りをぐるりと囲むように設置されており、上から見るとカラフルな大蛇が絡みついているかのようだ。
滑り台の着地点では、クッション状のものに飛行機が描かれていた。滑り台で加速のついた子どもが、地面から飛び立つ放物線をイメージして描いたのだろうか――と想像を膨らませる。
そばにはもう一つの人気遊具がある。幅約9メートル、高さ4.4メートルのジャングルジムのような遊び場で、展望台から見下ろすと、しっかりと飛行機の形に骨組みされていることがわかる。
ほかにも、風を受けて爽快に進むターザンロープや、てっぺんに"飛行機"があるのぼり棒など様々な遊具が並ぶ仲畑中央公園。管理する大野城市によると、グラウンドも併設した公園の広さは約1万4000平方メートルあり、休日には二つある駐車場がすべて埋まるほどのにぎわいを見せるという。
友人2人と訪れていた御陵中1年の男子生徒に聞くと、週に1、2回、ここでバレーなどをして遊ぶそうだ。幼稚園のころから通っており、「管制塔から自分の街が一望できるのが好き。近くにこんな公園があってうれしい」と話してくれた。
"ホンモノ"にも新空間!
夕暮れが近づくと、飛行機が上空をかすめる間隔が短くなる。離陸する飛行機と展望台が重なる1枚を撮ろうと最適なポジションを探すが、機体ごとに高さもコースも微妙に違う。遠くに機影を見つけると、カメラを手に右へ左へと走った。
飛び立った機体の先にある福岡空港では、刷新された国際線ターミナルビルに九州のグルメが並ぶフードコートができ、出国の直前まで福岡の食を楽しめると評判だ。
訪ねたターミナルビルの中心には、博多織や八女提灯(ちょうちん)など福岡県内の伝統工芸品を紹介する高さ8.7メートルのオブジェも登場。公園で出会った"空港"とはまた違う楽しい空間が広がっていた。