福岡県遠賀町は9月1日、予約に応じてAI(人工知能)が最短経路を設定する乗り合い方式のデマンドバスの実証運行を始めた。2028年3月末まで行い、本格運行に向け、利用状況を見極め、改善点を検討する。
同町では、JR遠賀川駅を基点として西鉄バスや町が運営するコミュニティーバスなどが運行している。しかし、バス停がない地域や便数が少ない地域が多く、車を運転しない高齢者らの生活支援を目的に導入した。
バス停27か所を新設
運行は月曜日から金曜日で、祝日や年末年始は運休。ゆめタウン遠賀を発着点に、町内全域を北部と南部の2地域に分け、マイクロバス(13人乗り)2台を使い、各5便の計10便を運行する。乗降場所は既存のバス停84か所と、事業に協賛金を提供する商業施設や病院、金融機関に新設するバス停27か所で、予約があったバス停のみを結ぶ。
運賃は中学生以上が300円、小学生と障害者は150円。対象は町内在住者で、町役場などで利用者登録が必要。乗車希望日の前日午後5時までにスマートフォンからのネット予約(24時間対応)か電話(平日のみ午前9時から午後5時)で時間帯と乗降場所を予約する。
25年度の総事業費は約1100万円。県交通政策課によると、県内では3月末現在で宗像市、岡垣町など18市町村が導入している。遠賀町都市計画課は「利用促進に取り組み、出てきた課題に応じて使いやすいように改善していきたい」としている。問い合わせは同課(093-293-1317)へ。
advertisement